日大は、どこで判断を間違えてしまったのか 大学全体のブランドまで毀損してしまった
これによって、本件は刑事事件としての深刻な色彩を帯びてきます。「日大選手がどうしてあのようなプレーをしたのかの説明がなかったし、指示があったのかも話されなかったので釈然としない」という父親の談話を読む限り、第2のミスがなければ刑事事件化は避けられた可能性がありそうです。
上記のように、関西学院に対して誤った対応を連発していた日大ですが、実はもっと深刻な事態は大学内部で進行していました。
15日の回答書で日大が監督・コーチの関与を認めていなかった同日、加害選手の父親は弁護士のところに相談に行きます。
賢明な判断だと言えるでしょう。だって日大は監督とコーチの指示ではなく、加害選手の判断で違反プレーを行ったという主張をしていたのですから。
ここで加害選手のディフェンスラインについても検討してみましょう。
彼にとって「指示に従って違反プレーを行った。今は反省している」という内容であれば十分受け入れられたでしょう。
加害選手は日大と利害を争う最大の存在に
しかし、日大は彼に「自分が指示を誤解して独断で違反プレーを行った」という事実で学校と一緒にディフェンスを行うことを求めたのです。さらに独断での謝罪を禁じた、という点も加わります。
また、21日の被害届提出で刑事事件のリスクも出てきました。刑事となれば直接の加害者である加害選手が刑事責任を問われる可能性はかなり高いものになります。私が加害選手やその家族であれば、将来を閉ざされたような不安と恐怖に苛まれるでしょう。
かくして、被害届提出の翌日、加害選手は独自の立場で記者会見を行うことになります。
そして24日に詳細を回答するとしていた日大側は、23日に緊急の記者会見を行うことになりました。なぜでしょうか。
15日は、本件において極めて重大なターニングポイントになりました。
実はこの日、加害選手側が弁護士に相談しに行った時点で、「日大と距離を置いて別の立場を取った」のではなく、加害選手は「日大と利害を争う最大の存在」になっているのです。
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