山折:瀬戸内寂聴は宗教者の代表ですよ。ただ、仏教界は彼女を内面的に軽蔑しているけどな。私は客観的に瀬戸内さんの仕事は立派なもんだと思う。
上田:私も瀬戸内さんと対談させていただきましたが、あの枯れてない欲望がすごいですよね(笑)。
山折:若者相手に「恋と革命だ」と言うんだから。悟りなんて説いてないよ(笑)。
上田:ハハハハ。いかに悟らないで生きていくか、それでいいのだということですよね。
山折:それでいい、それでいいよ。
上田:やっぱり瀬戸内さんのすばらしいところは、会って励まされることですね。すごくエンパワーされる。
山折:そうそう。
上田:日本の大多数の宗教者って、何でキレイなことばかり言うだけで、まったくエンパワーされないのか。それでも今度の東日本大震災で日本の仏教界もちょっと目が覚めたところがあります。数多くの僧侶が現地に行って、逆にそうとう無力感に打ちひしがれて、こんな仏道を説いていて大丈夫なのかということに直面した。それでも坊さんをやるんだという人がかなり現れてきたので、すごくいいことなんじゃないかと思います。
(司会:佐々木紀彦、構成:上田真緒、撮影:ヒラオカスタジオ)
※ 続きは10月29日(火)に掲載します
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