なぜシンガポールでは「有休取り放題」なのか

日本人ももっと「長期休暇」が取れるはずだ

実は、シンガポールでは年次有給休暇のほかに、風邪などの病気のときに休みを取ることができる有給病欠(MC)という制度があります。この休暇があるため、日本人のように風邪なのに無理して会社に行ったり、病気に備えて有給休暇を貯めておくという発想もありません。シンガポール人は、このMCを使い倒しているのです。

たとえば、年次有給休暇が14日間、MCが14日間だとすると、年間で28日間休む権利があることになります。多くの人はまずMCから消費していって、有給休暇はバカンスのために使っています。

MCを申請するには医師の診断書が必要ですが、医療機関に申請すると1000円ほどで出してくれます。後日提示すればよい場合が多いので、当日は電話1本で休むことができます。医師も慣れたもので、日数なども柔軟に調整してくれ、とても便利です。子どもの習い事なども、医師の診断書があれば振り替えできる場合もあって、私も作成してもらったことが何度かあります。シンガポールで生活をしていると、MCは非常に身近で、多くの人が利用しています。

日本のような「一斉にランチ」はない

有給の使い方としては、連休明けの月曜日や休日前の金曜日に取る人が多いようです。平日の昼間のセールに来ている女性をよく見掛けますが、仕事の合間に来ているほか、有給休暇やMCを利用して来ている人も結構多いようです。

オフィスで働いている人とランチをしても、日本の会社のように12時から13時までの1時間きっちりではなく、好きな時間に、場合によっては1時間半程度と自分の裁量で決められるようです。なので、多くの日本人のように12時に一斉にランチに出掛けて、お店が混雑していて入れないことも少ないのです。また、ランチタイムにジム通いや習い事をしている人もいます。そのため、スポーツジムが併設されているオフィスビルをよく目にします。

また、基本的に残業をする人が少なく、ほとんどが18時になるとさっさと帰ります(あるいは飲みに行ったり遊びに行ったりします)。

と、ここまで書くと「シンガポールの人は緩いのではないか」と思う読者もいるかもしれませんが、そんなことはありません。もちろん、日本人以上に働いている人もたくさんいます。たとえば、米系企業で管理職をしている外国人やシンガポール人などですが、その分給料もしっかり高いのです。逆に言えばそれ以外の役付ではない職の人(「アソシエイト」などと呼ばれる)は、仕事のためにプライベートを犠牲にすることはあまりありません。ワークライフバランスがしっかりとれている人が多いようです。

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