『米国会社四季報』収録データをもとに、ランキング形式で米国企業の姿を紹介するシリーズ、第4弾は経営トップの報酬額を取り上げる(前回は「時価総額の増減が大きい米国企業ランキング」)。
米国企業のトップの報酬額は、日本企業のとりわけ日本人のトップと比べると巨額だといわれている。企業の人事や福利厚生等のコンサルティングを手がけるウイリス・タワーズワトソンの調査では、米国の売上高1兆円以上の企業247社の役員報酬中央値は13.1億円なのに対し、日本企業72社のそれは1.4億円と、約10倍の開きがあることが示されている。
本稿では、原則として2016年決算における米国企業トップの報酬額を多い順にランキングした。ここでの報酬額は、(基本報酬+ボーナス+株式関連以外のインセンティブ+その他の報酬)とし、ストックオプションなどの株式関連の報酬は含んでいない。
なお、本ランキングは、『米国会社四季報 2018春夏号』の掲載企業を対象とした。
報酬額トップはディズニーCEOのアイガー氏
米国企業のトップはウォルト・ディズニーCEOのロバート・アイガー氏で、報酬は2370万ドル。1ドル=110円で換算すると約26億円となる。内訳は、基本報酬額が250万ドル、インセンティブが2000万ドル、その他が120万ドルとなっている。
アイガー氏は、1996年に同社が買収し、現在は傘下にある3大ネットワークABCの出身で、ABCグループの会長としてディズニーとの合併を主導。その後、2000年からはディズニーの社長兼COO、同年10月から社長兼CEOとして現在に至っている。したがって、20年近くディズニー社を率いていることになる。
同社といえば、映画製作、放送事業、テーマパーク運営と幅広く展開している総合娯楽企業だが、アイガー氏は経営トップとして2006年のピクサー、2009年のマーベル、2012年のルーカスフィルム買収や、上海ディズニーランド開業を手がけた。最近では21世紀フォックスの映画・テレビ部門を買収しコンテンツを囲い込む一方、動画配信事業へ相次いで出資し、ネット対応の強化も図っている。
直近5年間の業績をみると、2013~2016年までは売り上げ、利益ともに順調に拡大も、17年はネット対応の遅れなどが響き足踏みとなった。2018年以降は再び増収増益基調に復帰する見通しだ。ちなみにアイガーCEOの2017年の報酬額は1900万ドルに減額となっている。
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