経営者の報酬が巨額な米国企業ランキング トップはディズニーCEOのアイガー氏

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2014年1月にCEOに就任したバーラ氏のGMでのキャリアは、GMの援助で運営されていたケタリング大学の学生時代の、同社ポンティアック事業部でのインターンから始まっている。エンジニアリング部門を中心にキャリアを重ね、資材調達などの部門トップやグローバル人事担当副社長なども務めた。

リーマンショック後の2009年に経営破たんしたGMだが、その後復活。バーラ氏のCEO就任後は、赤字続きだった欧州から撤退し、米国と中国に資源を集中させるなどした結果、収益力は向上している。

注目企業トップの報酬は?

世界でもっとも注目される企業の1つがアップル。時価総額ナンバーワン企業を率いるのが、創業者でカリスマ経営者といわれた故スティーブ・ジョブズ氏亡き後、CEOを引き継いだティム・クック氏だ。

クック氏の2017年9月期決算の報酬額は1282万ドル(同14億円)でランキングは6位。内訳は基本報酬額305万ドル、インセンティブ932万ドル、その他44万ドルとなっている。中国などでの大幅な落ち込みが響き減収減益となった2016年9月期は、2015年比で15%減の870万ドルだったが、2017年は売上高、営業利益ともに達成目標を上回ったことから、キャッシュインセンティブが目標値(600万ドル)の1.555倍支払われたことが寄与し、大幅増額となった。

一方、大量の個人情報流出が問題となっているフェイスブックはどうか。かつてもっとも若い億万長者といわれた同社CEOのマーク・ザッカーバーグ氏の報酬額は576万ドル(同6.3億円)で、ランキングでは55位に位置している。このうち基本報酬額はなんと1ドルで、それ以外はすべて「その他の報酬」ということになっている。具体的には、住居を含むセキュリティ費用489万ドルと、チャーター機の個人使用にかかる費用87万ドルがその内訳だ。直近公表された同氏の2017年の報酬額は885万ドルに増加しているが、基本報酬額はやはり1ドルで、セキュリティが733万ドル、チャーター機の個人使用分が152万ドルに増えたことによるものだ。

ランキングを眺めてみると、あのアマゾンやアルファベット(グーグルを傘下に持つ持ち株会社)の名前がない。あれだけの急成長を遂げている企業なのにどうしたことだろうか。

アマゾンの公表資料によると、ジェフ・ベゾスCEOの報酬額は168万ドル(同1.8億円)で、内訳は基本報酬額が8万ドル、その他報酬(=セキュリティ費用)が160万ドルとなっている。基本報酬額だけをみれば日本の大手企業の中間管理職程度にすぎない。資料では、ベゾス氏は株式のインセンティブも受け取っていないと説明されている。

アルファベットのCEOで、グーグルの創業者・前CEOのラリー・ペイジ氏の報酬は基本報酬額1ドルのみで、それ以外は何もない。

とはいうものの、彼らはすでに莫大な資産を所有している。恒例のForbes「世界長者番付」(2018年)によれば、1位がベゾス氏、ザッカーバーグ氏は5位、ペイジ氏は12位といずれも世界有数の大富豪で、報酬を1ドルとしたところで何も困ることはないということなのだろう。

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