M様が今、心身ともに大変な時であることは、私も十分にお察し申し上げます。しかしさまざまな不運を持って生まれた人もそれと闘い、うまくかわし、または一生抱えて生きるしかありません。
私は同時に今、あなたの母上と妹様のことを思い、涙してこれを書いています。妹様は健康さえあれば何も望まないと言うでしょう。母上は舅と同居し、夫の不貞にも耐え、次女より先立つ場合のその後のことも考えずにはいられないでしょう。
昔からご両親に対してよくない感情を持っていたということですから、妹さんにつきっきりにならなければならないという大きな事情を抱えているとはいえ、ご両親の責任は重いといえます。
しかし、精神的にも体力的にもいっぱいのはずです。あなたには気の毒なことでしたが、健康なあなたに手が回らなかった母上の心情をも、逆に思いやれる年齢になったと、考えを変えてみませんか。
恨むのは一時休戦にしよう
父上も(浮気を除いては)、あなたにとことんひどい父親ではないと考えることもできます。子どもが勉強好きでも、高卒で働かせる親はいくらでもいます。あなたの収入を当てにしたり、妹様の介護を手伝わせたわけでもありません。ご相談文を少し修正しましたが、あなたが理解できていなかった保険金による入学金の支払いは、あなたのこの日のために、親がコツコツと積み立ててくれた学資保険です。生活のため解約してしまう親だっていっぱいいるのです。
友だちの家に泊まるとしかられるのは、あなたをネグレクトしていない証拠です。毎日家に帰ってくることで安心できているのです。若い人たちが簡単に人を信用し、訪れた家で巻き込まれるひどい事件の数々を考えて下さい。わが子を信用するだけでは済まない時代なのです。1日の外泊を許して、それがなし崩しになるのを親は恐れるのです。
あなたが親を恨むようになっているのは、間違いなく親に責任があると思いますが、そこにとどまっていては一歩も前に進みません。今すぐには上記のように理解がいかなくとも、恨むのは一時休戦にしてみましょう。
そして勉学のためには家族と断絶してでも、少しでもよい環境を求めて、あなたが動くべきです。隣の芝生の青さと比べて自分の不運を嘆くより、恵まれた部分に目を向けてください。
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