スマホが脳の発達に与える無視できない影響

脳トレの川島教授が2つの実験結果から分析

スマホ使用が脳に及ぼす影響を、軽視していませんか?(写真:さわだゆたか / PIXTA)  
前回、「スマホを捨てれば子どもの偏差値は10上がる――『ながら勉強』が子どもに与える深刻な影響」という題で東洋経済オンラインに寄稿した。幸いにも、この記事は多くの読者から反響を得ることができた。
一方で、記事内で言及した「メディア・マルチタスキング(スマホで複数のアプリを同時使用すること)」の悪影響については懐疑的な意見も見られた。「要するにマルチタスクが悪いのであって、スマホ等使用そのものには害はないのではないか」といった内容だ。そう考える方々にとっては、私が子どものスマホ使用について、強い表現で警告を発したことがおおげさに思えたかもしれない。
そこで今回は、近著『スマホが学力を破壊する』の内容を基に、なぜ私がスマホ使用そのものに対して注意を喚起するに至ったか、最新の研究結果を踏まえつつ別の角度から説明を行いたい。

スマホを持っているだけで成績に影響する!?

スマホを持っているだけで成績が下がる。こう言われると、うさんくささを感じてしまう方もいることだろう。LINEなどのメッセンジャーの使用や、マルチタスキングという使い方が問題なのであって、スマホ自体に罪があるわけではない。単に所持しているだけで成績が下がるなどという悪夢のようなことがあるならば、それこそ「魔法の機械」ではないか――。

ところが、これがあながち冗談とも言えないのだ。私たちの研究は、スマホに直接触っていなくても、スマホを近くに置いておくだけでパフォーマンスが下がってしまうことを実験によって証明した。

私たちが行った実験は、次の通りだ。大学生や大学院生数人で班を組ませ、事前にインスタントメッセンジャーを使ってグループを作っておく。そして、そのうちの1人に、コンピュータを使ってCPT課題と呼ばれる単純な作業を行わせる。

CPT課題というのは、たとえば画面に〇が出たらボタンをできるだけ速く押す、×が出たら無視をする、といった課題だ。〇のマークを見てからボタンを押すまでの速さを計測し、脳の情報処理の速さの指標とする。また、ボタン押しの速さが作業中一定であれば、集中して作業をしていると判断できる。

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