野菜の限界を超えた?「ベジスイーツ」最前線 まったく新しい角度から見る野菜

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一見、単なるアボカドの半切りに見えるが、実はアボガドのピューレを使ったパフェ(写真:Benjamin Norman/The New York Times)

砂糖の摂取量をなるべく減らして、野菜をたくさん食べる。これが健康的な食生活の基本であることはわかっているけれど、実行するのはむずかしい。なにしろコンビニでも高級レストランでも、スイーツの魅力は強烈だ。

それなら野菜をデザートに使ってみたらどうだろう――。米国の著名レストランで、そんな試みが広がっている。砂糖をたくさん使わなくても、トウモロコシやニンジン、フェネル、カボチャ、サツマイモなどの自然な甘みを生かせば、立派なデザートができるというのだ。

野菜には自然の甘みが含まれている

ロサンゼルスのレストラン「グウェン」では、驚くほど甘いロースト・アーティチョークや、セロリのシャーベット、それにグリーンオリーブのチーズケーキ添えといった「ベジスイーツ」がメニューに並ぶ。ニューヨークの「ブルーヒル」では昨秋、カボチャのアイスクリーム詰め、パースニップ(ニンジンのような形をしたセリ)のケーキ、そしてキャロットシャーベットの自然な甘さが大評判になった。

「やたらと砂糖を使わないよう努力している。果物や野菜には自然な甘みがたっぷり含まれているからね」と、ブルーヒルの共同所有者ダン・バーバーは言う。シェフも務めるバーバーは、ペストリーシェフのジョエル・デラクルーズと協力して、野菜中心のデザート作りに力を入れている。「まったく新しい角度から野菜を見るのは楽しい」。

ニューヨークの「グラマシー・タバーン」では、ピーカンナッツと洋梨のケーキにルッコラとブルーチーズのムースを添えたデザートが人気だ。グレープフルーツのパンナコッタには、コリアンダーとアボカドも使っている。一番人気のグリーンカレー・アイスクリームサンデーは、チリ、コリアンダー、レモングラスなどタイ料理の材料を使ったスリリングな味が魅力だ

「デザートらしいデザートに、一風変わったテイストを加えたいと思っている」と、グラマシー・タバーンでペストリーシェフを務めるミロ・ウスココビクは語る。「ニンジンやセロリ、ビーツ、キクイモなど多くの野菜には、たっぷり糖分が含まれている。それをうまく利用すれば、立派なデザートになる」。

とはいえ、それは料理のプロだからできることで、さすがに家庭でやるのは難しいのでは?

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