野菜の限界を超えた?「ベジスイーツ」最前線

まったく新しい角度から見る野菜

そんなことはないと、シェフたちは言う。重要なのは、野菜には糖分がたくさん含まれていることを認識して、それをうまく引き出す調理法を選ぶことだ。「家庭のシェフ」たちはヘルシーさを心掛けるあまり、バターもソースも使わず、調理時間も最小限に抑えて野菜を食べようとしがちだ。

「根菜の調理法はごくシンプルだ」と、バーバーは言う。「私は長時間ひたすらローストするのが好きだ。できるだけ水分を飛ばして、糖分をカラメル化する。それにアイスクリームを添えて出したら、最高のデザートになる」。

冬を越した野菜は糖度が高い

ブルーヒルのカボチャのデザートは、ハニーナッツスクオッシュ(一般的なカボチャよりも小ぶりで糖度が高い)を皮ごと数時間ローストして、中身をすくい出して、さらにコンロでローストして水分を飛ばす。

ピーカンナッツと洋梨のケーキにルッコラとブルーチーズのムースを添えたデザート(写真:An Rong Xu/The New York Times)

「ひと口食べるごとに、カボチャの味を800%味わえる」と、バーバーは言う。「ぴったりのタイミングで火からおろせば、爆発的は甘さを楽しめる。パースニップ、セロリ、ビーツでもそうだ」。

野菜の糖度は、土壌と生育条件、収穫時期、そして地中で冬を越したかどうかで大きく変わってくる。食品の糖度はブリックス値で示される(ドイツの化学者アドルフ・ブリックスが、野菜ジュースの糖度を初めて測定したことにちなむ)。ブリックス値が高いほど、その野菜は甘いことになる。

たとえば平均的なスイートコーンのブリックス値は約10%だが、ブドウやオレンジ、パパイヤ、パイナップルと同水準の24%にもなることがある。ニンジンの糖度は4〜18%と幅がある。バナナとメロンのブリックス値は12〜14%だが、トマトやサツマイモ、エンドウ豆、ビーツ、ブロッコリー、セロリ、キュウリといった野菜もそのくらいの糖度がある。

ブリックス値は、土壌の状態や天候、収穫時期、鮮度などに左右される。一般に、直販市で売られている新鮮な野菜は、スーパーで買う野菜よりもブリックス値が高い。手作り野菜を推進する「ハイ・ブリックス・ガーデンズ」というウェブサイトのある調査では、家庭菜園で収穫したサヤマメのブリックス値は6.2%だったが、スーパーで売っているサヤマメのブリックス値は4.2%だったという。

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