ちゃんと会議に参加し、さまざまな意見を理解しつつ、あなたなりの役割を果たそうとしていれば、すぐに発言しないからといって、即「できない人」とはならないように思うのです。
さらに、誰かの意見を受け止める、というあなたの美点をもっと活かしてみるのもひとつです。アイデアを出し合うような場では、他の発言に「でも……」「ただ……」「そもそも……」といった言葉で返してばかりの人もいます。自分なりに事前に考えてきて発言したのに、否定ばかりされると、次の発言への意欲も減りますし、場の雰囲気も堅くなってきてしまう。「反射的」であったとしても、「否定的」すぎれば、歓迎されるとは限りません。
実は、筆者は「反応的」すぎる自らの欠点を補うために、かなり意識的に、「○○さんのおっしゃるとおり、その視点は大事ですね」とか、「斬新なアイデアだと思います」とか、最初に誰かの意見の受け止めを肯定的に発言してから、自分の意見を言うように心掛けていました。できる先輩のマネをしていたにすぎないのですが、その先輩が肯定的な出だしから発言すると、同じ論旨でも、ほかの人よりずっと受け止められる確率が高く、会議の空気を換えてしまうこともあったのです。
誰かの発言を受け止める際に、なるだけその中に「肯定するポイント」を見つけるように意識してみる。それを傾聴スタンスとセットで、具体的に口にしてみると、その後の発言がしやすくなるはずです。
邪念が強すぎるとうまくいかないもの
会議では、「何を」発言するかもとても大事ですよね。あくまで筆者が感じたことではありますが、ご相談文から、「何かみんなに役に立つ発言をしなければ」「周囲より優れたこと、新しいことを言わなければ」という気負いや力みを強く感じました。もっと言うと、周囲からの評価、「あるべき姿」を意識しすぎているような。
社会人歴も長くなれば、発言やアイデア、自身の役割にも高いレベルが求められますから、当然なのかもしれません。でも、会議やブレストのたびに、秀逸なアイデアをばんばん出し、誰かの発言にも的確な反応を示し、場の空気をも自在にコントロールできる、なんていうことは、なかなかの難易度だし、それができる人も極小なのではないかと思うのです。
周りに、「ベテランなのに」「このポジションなのに」と思われないか、「できる人」と思われたい、といった邪念を持ちすぎていると、議題に没頭できなくなってしまいます。
筆者は今でも、クライアントとの会議やワークショップなどで、「何か示唆めいた発言をしなくちゃ」と思うと高い確率で滑りますし、この記事を書くときも、力みすぎるとボツになって、しょんぼりしています(笑)。「褒められたい」という邪念が強すぎるとうまくいかないものなんですよ、きっと。だからこそ、できる事前準備はしっかりしつつも、「自分もまだまだ」と力を抜いて、うまくいかなければ次に頑張ればいいや、くらいの気分で会議に臨んでみたらどうでしょう。
誰にでも苦手な分野はあります。上司や同僚にも、そんな自分を開示して、「こういうことが苦手」と言ってみたら、「え? すごく得意じゃない?」と強みとして指摘してくれるかもしれない。誰かと比べて「下手」「苦手」と思いすぎず、また「うまくやりたい」と考えすぎず、あなたらしくのびのび会議に臨んでみてください。プレゼンについては、またの機会に!
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