おとなしい子が、英語が苦手だとは限らない ポイントは仲間と対話できているかどうか

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英語の上達には、活発さや積極性が必須だと思われがちだが・・・(写真:Image Source / iStock)

ある小学生向けの英語レッスンでのこと。参加しているにもかかわらず、一言も言葉を発さない児童がいました。Mさん(小4)は仲間と一緒にテキストを見ながら話の輪の中にいましたが、彼女は最後まで話を聞いているだけ。

しかし、先生は、Mさんに発言を促しはしませんでした。それは、Mさんが仲間の言うことに熱心に耳を傾けていて、彼女が話さなくても仲間の対話に加わって学んでいたから。その証拠に、翌週のMさんのノートには、レッスンで発見したことがたくさん書かれていました。

重要なのは思考が活発になっているかどうか

英語にかかわらず語学を学ぶ場合、活発さや積極性が必要だと思われがちです。しかし、子どもにはそれぞれの個性があり、何かを発見するとすぐ言葉にできる子もいれば、そうでない子もいます。Mさんのようにじっと仲間の対話を聞いて考え、自分の中に考えを蓄えている子どももいるのです。ですから、その場で活発に話していないからといって学んでいないというわけではありません。

逆に授業などで「はい! はい!」とよく手を挙げる子どもがいます。活発だからといっていいわけではありません。実はわかっていることを話しているだけで、わからないことや、未知なる課題に向かっていない場合があるからです。重要なのはその子の「思考」が活発になっているかどうか、です。

言葉を身に付ける場合、発語までに準備期間があるといっていいでしょう。母語発達の場合、この例はたくさんあります。

千葉県に住むK君は、2歳半になるまで喃語や一語文しか話しませんでした。大人が話す言葉は理解しているけれど、自分から発するのはせいぜい一語文。お母さんは言葉の遅れを少し心配していましたが、第2子の出産を控え忙しく、特に対処はしませんでした。ところが弟が生まれ、赤ちゃんとお母さんが退院して家に帰ってくると、K君から爆発的に言葉が発せられるようになったのです。それも二語文、三語文を話し十分に意図が伝わってきます。

弟が生まれるまでの2年半もの間、K君はずっと母語である日本語を耳にして溜めてきたのです。子どもの発語には骨格が整うこと、口の奥の音を作る器官が成長することなどの身体的条件は必要ですが、生まれてからずっと日本語を耳にしてやっと言葉を発することができるようになったのです。

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