おとなしい子が、英語が苦手だとは限らない ポイントは仲間と対話できているかどうか

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これまでの日本の学校教育では、対話はほとんど重視されてきませんでした。生徒は皆、先生が教える授業を聞いているのが、典型的な日本の学校教育でした。静かに授業を聞いているのがいい生徒で、海外の学校のように、教師が話している途中でも、生徒が積極的に質問したり、意見を言ったりする光景はほとんど見受けられませんでした。

が、今後は「一方的」ともいえる教え方が変わる可能性があります。最近、学習指導要領の改訂で「アクティブ・ラーニング」が注目されていますが、これは教師が生徒に一方的に教えるのではなく、生徒が主体的に授業に参加し、仲間との対話などを通じて学ぶことを目的としています。今後英語の授業で積極的に取り入れられるようになれば、英語の学び方もぐんと変わりそうです。

対話を通じた学びで得られること

実際、近頃では学校でもペアや小グループになって学ぶ方法がとられています。机の位置を具合のいいように変えたり、パソコンやタブレットといったツールを使用したりと工夫がされています。大人数の前では発言できない子どもも、ペアや少人数のグループであれば対話ができることもありますし、わかる子がわからない子を助けてあげることもできます。

わからない子に教えることによって、わかる子の理解が深まりますし、わかりやすく教えることでプレゼンテーション能力が磨かれます。このような例からも、いかに子どもが仲間同士で学ぶのがいいかということがわかります。

言葉は、人とやり取りをしてこそ成立します。人とやり取りのできる英語を身に付けるには、実際に人と英語をやり取りしながら学ぶ必要があります。また、対話を通じた学び合いでは、英語をやり取りするだけではなく、言葉のルール(文法)を発見したり、使い方を共有したり、言葉の裏の英語文化を理解したりといった学びを得ることもできます。

子どもたちが自身の関心や興味を大事にしながら、言葉のルールや使い方、文化などを発見して学ぶことは、その学習に大きな影響を与えます。逆に、幼い頃から従来のような暗記や訓練型の受身の英語レッスンを受けると、大人からの指示待ちになったり、子ども自身が英語への興味を失ったり、自ら学ぶ力が身に付かなかったりするので、注意が必要です。

アクティブ・ラーニングが注目される中、教育現場においては、子どもが積極的に対話を行い、学び合える環境をいかに整えるかが、ますます重要になりそうです。

木原 竜平 ラボ教育センター 教育事業局長

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きはら りゅうへい / Ryuhei Kihara

1987年、筑波大学卒業、ラボ教育センター入社。東京、名古屋、大阪にて営業、指導者研修を担当。2002年より東京本社にて、外国語習得、言語発達、異文化理解教育について専門家を交えての研究に携わる。日本発達心理学会会員。日本子育て学会会員。ラボ・パーティは1966年「ことばがこどもの未来をつくる」をスローガンに発足し、2016年に50周年を迎えた子ども英語教育のパイオニア的存在。
 

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