鳥肌!グーグルの「AI電話機能」がヤバすぎる 人間との複雑な対話もラクラク

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アップルはApple MusicやApple Newsなどのコンテンツサービスに対して「For You」タブを用意し、その人に合ったコンテンツをおすすめする仕組みを用意した。グーグルも、GoogleマップやバージョンアップするGoogleニュースアプリで「For You」というキーワードを使う。

人工知能がコンテンツを自動的におすすめする仕組みとして、各プラットフォームやアプリに広がりを見せる「For You」は、その精度と的確さの競争となっているようだ。ただ、このキーワードは単にコンテンツのレコメンドに限らない。

「Android P」に組み込まれたスマホ中毒対策

グーグルはAndroidの新バージョンとなる「Android P」を発表し、シンプル化されたデザインとインターフェースなどを紹介しているが、最も印象的だったのは「Digital Wellbeing」、つまりデジタルがある健康的な暮らしづくりのための機能に踏み込んだ点だ。

「アップルが子どものスマホ中毒に対して対処すべき」という株主からの要求があったことは東洋経済オンラインでもご紹介した(「iPhone中毒」対策は、アップルの責任なのか)。しかし子どもに限らず、大人もスマートフォンを手放せず、目が離せない生活を送っている。

基調講演を行うサンダー・ピチャイCEO(写真:REUTERS/ Stephen Lam)

グーグルは新バージョンのAndroid Pで、自分がスマートフォンやアプリをどのような頻度やパターンで利用しているのかを集計するダッシュボードを用意し、アプリごとに日々のアプリ使用時間の上限を設定し、通知する仕組みを備えた。たとえばユーチューブは1日2時間まで、と決めたら、1時間に近づいたら通知してくれる。

また夜になって就寝する前のスマホについても、就寝時間になると自動的に画面をモノクロ化するWind Down機能を用意する。グーグルによると、テクノロジー使用のバランスを取りたいと考えている人は7割に上り、Android PでOSとして、スマホ利用状況の改善に取り組む機能を備えることになった。

スマホ使用パターンによるアプリや、アプリの機能の提案もホーム画面で行ってくれるようになる。グーグルはテクノロジーを「あなたのため」に進化させるというメッセージを色濃く製品に反映させた。息を飲む技術と柔和な身近さのコントラストは、テクノロジーの未来への期待感をあおるには十分なプレゼンテーションだった。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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