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宋美玄が正面切って「女性の性」を語る理由 妻で母で医師だからこそ分断に立ち向かえる

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  • 河崎 環 フリーライター、コラムニスト
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もしかして、”いい子”の彼女たちは他者からの期待に応えるばかりで自分のリビドー(性的衝動、あるいはすべての行動の根底にある心的エネルギー)をきちんと見つめたことがないのではないか、と筆者が問うと、宋は力強く頷いた。「自分の性欲や性癖を掘り下げたことのない女性が多いんです」

日本の女性は自分の性欲を掘り下げていない

「性欲が湧かないんです」「性行為が苦痛なんです」と、診察室で彼女たちは訴えるのだという。子育てが一段落した40代以降、あるいはよくわからないから放置していたけれど、アラフォーになって子どもが欲しくなり、意を決して産婦人科へやってくる女性たち。

彼女たちは相手に嫌われないために、相手に合わせてきた。自分がどうしたら満足するのか、自発的にしたいと思うのはいつなのか、それを掘り下げたり表現できなかったりする人が多い。男性と違って”セルフプレジャー”の経験も乏しい彼女たちは、よって自分の性癖を知らない。「男性が細分化されたAVジャンルで女性の好み、性癖の好みを追求するように、女性だって掘り下げたら同じなのに、『何にムラっとしますか』と聞いても『わからない』と」

講演会(写真:宋美玄さん提供)

本来、生き物として当たり前に持っているはずの欲求。でも思春期にそういう話を友達とせず、家でもできず、むしろそれは悪いこと、品のないことと教えられる。自分の性をアンタッチャブルな話題としてふたをし、放置した結果、こじれてしまった女性がいっぱいいる。

「今まではお付き合いする相手にただ任せるだけだったのが、今付き合っている人は女性経験がなくて方法を知らない。私はどうしたらいいですか」「相手がすごく求めてくるけれど、自分は気持ちいいと思ったことがないので苦痛」「相手に、お前は変だ、前の女はもっと感じていた、と責められました。私はおかしいんでしょうか」

彼女たちは、それぞれの体験から傷つき、診察室で涙を流す。

「同じ人とずっとセックスするって、すごく不利な条件なんですよ。だから自分の性欲を掘り下げた経験がない人は、その点で自己マネジメントができない。自分の性欲をコントロールできないから、我慢もできなければ、相手に合わせて自分をその気に持っていくこともできない。それでパートナーとの齟齬(そご)が生じ、身動きが取れなくなっている」

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【妻で母で医師である宋】

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