注意!認知症の兆候は3つの違和感に表れる アルツハイマー病治療の世界的権威に聞く

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アルツハイマー病の原因を特定したブレデセン医師は、「リコード法」と呼ばれる治療法を開発した。

「バランスを維持する36の要因すべてを良い方向にするために、食事、運動、睡眠、ストレス管理、薬、健脳サプリ、そして脳トレーニングなども加えた包括的な治療プログラムで、すでに500人以上の患者さんが回復しています」

さらにブレデセン医師は、少なくとも45歳を超えたら、リコード法で推奨されている各種認知機能検査を受け、自分の状態を知る必要があると提唱する。

ただ、仮に検査を受けて結果が正常であっても、油断してはいけない。毎年同じ時期に検査を受け、認知機能が少しでも下がってきたら病院へ行くのが望ましいという。

「認知機能の衰えはたいてい自分でも気づくものですが、大したことがないという言い訳をして、医師の診察を先延ばしにする人が多いものです。本格的なアルツハイマー病であるとわかるまで治療されず、『また来年来てください』と言われ続けたという話をよく聞きます。医師自身、アルツハイマー病はまだ治せないと思い込んでいることが多いのです」

血液検査がアルツハイマー病の発見に役立つ

アルツハイマー病を発見する重要なヒントとして、ブレデセン医師は血液検査を挙げる。空腹時インスリン値、高感度CRP、水銀値やマイコトキシンなどの毒性化合物、グルタチオン、ホルモン状態、自然免疫活性化を見るC4aやTGFβなど、アルツハイマー病の治療では通常実施されていなかった血液検査を行っているという。

自分のコレステロール値は知っていても、空腹時インスリン値やホルモン状態を知らない人は多い。自分の代謝をみる数値について良く知っておくのは、アルツハイマー病予防にはとても重要になる。

ブレデセン医師も「これらは認知症患者さんをかかえる医師の先生方が、実際の診療に役立てることができるはずです」と豪語する。

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