マックナゲットのソースが地味に人気なワケ 「期間限定ソース」はどのように生まれるのか

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「今年2月のキャンペーンでは人気バーガー『チキンタツタ』と『チキンタルタ』の味わいを再現したソースを販売していますし、そのときのシーズンやテーマに合わせてさまざまなソースを期間限定で販売させていただき、いずれも大変ご好評いただいております」(當山氏)

ちなみに、2017年4月に発売されたソースは「オトナのわさびマヨソース」と「わんぱくてりやきマヨソース」で、このたびと同じく、親子を強調。ゴールデンウイークを含む期間とあって、ファミリー層へのアピールを狙ったと言えるだろう。反対に12月からのキャンペーンはクリスマスシーズンを含むため、「夢のオマールエビソース」、ワインが隠し味に入った「贅沢チーズフォンデュソース」など、プレミアム感のあるテイストとなっている。

マック好きの人にチキンマックナゲットについて聞くと、「定番ソースが2種類しかなく、このようにほかの味が楽しめるのはめったにない。もっとやってほしい」「ほかのチェーンではソースが有料なので、無料のマックはすばらしい」などの声がある。確かに、今回発売の焦がし醤油や、オマールエビといった、こだわりのソースが無料で味わえるのはお得感が高い。

異物混入などが頻発した過去

マクドナルドと言えば、触れないわけにいかないのが2014年の7月以降に起きた、期限切れ鶏肉使用や異物混入などの事件だ。消費者の信用を失い、2015年度の全店売上高は3765億円と、前年度の4463億円より大きく落ち込んだ。

しかし2013年に日本マクドナルド代表取締役兼CEOに着任したサラ・エル・カサノバ氏のもと進められたリカバリープランにより、2016年度には事件前と同程度の4385億円に復活、2017年には4901億円となっている。業績アップの理由を同社では「おいしくてお得感のあるメニューのご提供、お客様にも一緒に参加いただけるプロモーションの企画、既存店舗の改装、人材への投資によるお客様の店舗体験の向上などが相乗効果を発揮した結果」(當山氏)と考えている。

リカバリープランでは、食の安心・安全に取り組み、品質管理をホームページなどで「見える化」したほか、カサノバ氏自身が47都道府県を回って全国の母親と話し合う「タウンミーティング with ママ」を行うなど、母親などの消費者目線を取り入れてきた。また、2016年末時点ではモダンな店舗は全体の67%だったが、店舗投資率を高め、2018年末に90%に引き上げるべく、店舗改修等を加速させている。商品の包装なども、SNS映えを意識しておシャレなデザインに変更。それらが総合的に功を奏し、「事件前」とはブランドイメージが大きく変わったと言えるだろう。

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