TOKIO緊急会見に見えた強烈な4つの違和感 謝意や猛省は伝わるも、矛盾を隠しきれず
一方、城島さんは「リーダーの立場」から話し、国分さんは「それでも見捨てられない」と情の深さを見せ、長瀬智也さんは「被害者を特定しないように」と二次被害を防ごうとしました。本質を毅然と話す松岡さんを含めて、「いかにバランスのいい4人であるか」をあらためて感じさせたのです。4人の特性を考えると、この日のような謝罪の場では、松岡さんが際立って見えたのは当然なのかもしれません。
ジャニーズ事務所への疑念は消えず
3つ目の違和感は、ジャニーズ事務所が、またも無言を貫いたこと。
ここまでジャニーズ事務所は、NHKの事件速報を受けて、「キスだけだった」「すでに和解済み」というダメージコントロールをにじませる短文のコメントを発表し、山口さんの会見時も顧問弁護士に代理謝罪させたのみでした。
その後、5月1日にようやくジャニー喜多川社長がコメントを発表しましたが、けっきょく会見には現れず。ジャニー社長だけでなく、現場のトップや担当者も語りませんでした。TOKIOを“社員”と考えたとしても、“商品”と考えたとしても、謝罪会見である以上、一般企業では考えられない逃げのスタンスだったのです。かつてのように、「ジャニーズ事務所だから仕方ない」と寛容に受け止められていた状態がまだ続いていると思っているのでしょうか。
ジャニー社長のコメントには、「TOKIOのメンバーもそれぞれが23年の時を重ねて今の場所に立っています。彼らが、まず何をすべきか、これからをどうしていくか、彼らが考えて決めていくことを受けとめます。私自身は全ての所属タレントの『親』としての責任を負いながら今後も彼らが“ひと”として成長できますよう、支援し続けて参る所存でございます」と書かれていました。
「信頼して任せている」という方針は理解できるものの、あくまでそれは平常時に限ったもの。「今回のような不祥事や緊急時には、企業の上層部が真っ先に動く。責任を取る」のが社会の常識であって、それをしないため、「丸投げ」「無責任」という声があがってしまうのです。
クライシス・コミュニケーション(危機管理広報)の基本は、トップが前面に出て謝罪し、企業や商品のイメージダウンを最小限に抑えること。つまり、TOKIOのメンバーを前面に出すのは、企業・商品の両面で得策ではなく、前時代的な対応なのです。
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