ニュー新橋ビルのすぐには解決できない悩み 多数の区分所有が耐震強度不足問題を複雑に

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JR新橋駅と有名なSL広場に隣接するニュー新橋ビル(編集部撮影)

「ビルの建て替えを計画しているが、実現するのは早くて5、6年先。その間に大地震が発生するとも限らないので、耐震改修の検討を始めた。問題は、その費用をどう確保するか」

おじさんサラリーマンの聖地、JR新橋駅の駅前に建つ「ニュー新橋ビル」が、耐震強度不足ビルとして「実名」を公表された。テレビ街頭インタビュー場所の定番、新橋SL広場に面し、1971年に完成した地上11階地下4階の商業・オフィスビルである。

3月29日に東京都が発表した「耐震診断が義務付けられている建築物の耐震診断結果等の公表について」で、同ビルは、震度6強~7で倒壊する可能性が高い「安全性の評価Ⅰ」の建物とされている。東洋経済オンラインでも「独自マップ!東京23区『危ない建物』はここだ」(4月13日配信)、「注意!東京23区『大通り沿い』危ないビル一覧」(4月20日配信)、「六本木ロアビルが姿を消さざるを得ない事情」(4月25日配信)で、この問題を詳しく追ってきた。

厳しい判断に迫られているニュー新橋ビル

JR山手線沿線の駅前地区で次から次と大規模な再開発事業が進むなか、JR新橋駅前は昭和のレトロ感が漂う姿で取り残されていた。ようやくニュー新橋ビルの建て替え計画が動き出したのは、2年前の2016年3月。野村不動産とNTT都市開発が事業協力者となって「新橋駅西口地区市街地再開発準備組合」が設立された。

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