アイドルは想像を絶する「サバイバー」だった 虐待、非行、女子少年院の日々を乗り越えて
この活動は、ひとりでできるような活動ではないことを、戦慄さんは理解している。だから、大学で法律の専門知識を身に付けつつ、協力者を得ながらこの活動をNPO(非営利組織)化して、クラウドファンディングで寄付金を募るという計画を立てている。
「いずれはこども食堂みたいな場所を設けるでもいいし、お母さんが帰ってこない子たちにお弁当を送るでもいいし、そういう活動をしていきたいと思っています」――。
唐突だが、「戦慄」という言葉を調べると、「恐ろしくて、身体が震えること」(デジタル大辞泉)とある。インタビューの最後に、「なぜ戦慄というアイドルらしくない言葉を名前に使ったのですか?」と尋ねたら、戦慄さんは楽しそうに笑った。
今度は子どもたちを救い出す
「あまり深く考えていなくて、ヤバいやつ、ぐらいの感覚で選びました。響きが面白いし、戦慄っていう苗字はほかにいないし。でも、よく考えたら、戦慄ってホラー映画とかお化け屋敷とかにしか、使われないですよね。ちょっとしくったかもしれない」
戦慄かなの、19歳。
子どものころ、虐待におびえ、それでも生き抜いてきたアイドルが今、虐待に「戦慄」している子どもたちを、どうにかして救い出そうとしている。自らの人生とその活動を印象付ける意味で、戦慄かなのという名前は、今後、これ以上ないほどのインパクトを持つだろう。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら