編集者との交流がメディアの目玉商品なのか メディア各社がキラーメニューとして力点

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だが、この役割を誰に担ってもらうかが問題となった。「乗り気な編集者もいれば、そうではない編集者もいる」からだ。「誰が適任なのか、誰がきちんとコミュニケーションを取ることができるか、誰が状況をうまく見極められるかを判断する取り組みが必要になる」と、チョー氏は話す。

そのあとも、イベントごとにどのスタッフが適切なのか考えなければならない。チョー氏はニューヨーク誌の編集チームから、イベントに積極的に参加してくれそうな人を選んだ。いまでは、イベントを企画するたびに、ビジネスおよび戦略担当編集者のデビッド・ハスケル氏と定期的に話をし、どのスタッフと取り組むべきか、その企画がイベントにフィットしているかを判断している。「(デビッド氏は)出演交渉担当者のようになっている」。

ビジネスに欠かせないピース

ほとんどのパブリッシャーは、読者との交流を記者の職務として規定していない。だが、会員制プログラムを持つパブリッシャーの幹部らは、その重要性を記者たちにはっきりと伝えている。

ローカルデジタルパブリッシャーのスピリテッド・メディアで最高経営責任者を務めるジム・ブレイディ氏は、自社のメディアで雇ったすべての記者がビジネスに欠かせないピースだと述べている。「(読者と)話ができるスタッフがいることは、我々にとってきわめて大きな強みだ」と、ブレイディ氏はいう。「市役所関係の報道を20年間担当してきた人に、イベントの運営をはじめるよう命令するのとは訳が違うのだ」。

また、記者たちがイベントに割く時間を減らすことも重要だ。アトランティックでは、電話会議の参加者を持ち回り制にした。ニューヨーク誌では、特定の編集者ばかりが指名されないようにしている。

場合によっては、編集スタッフとオーディエンスのコミュニケーションから、新しい製品が生まれることがある。政治ニュースサイトの「ポリティコ」は、4月12日にメールマガジン「ポリティコスペース」のキックオフイベントを開催したが、このきっかけは、政府関係者向けメディア「ポリティコ・プロ」の記者や顧客サービス担当者の多くが、ニュースについてもっと深く知りたいという声を読者から聞いたためだ。

ポリティコで最高売上責任者を務めるボビー・モラン氏によれば、ポリティコ・プロの記者が報道している内容について有料購読者から意見が出ることはないという。だが、編集スタッフは、購読者が何に関心を持っているのかを常に把握する必要がある。そのため、顧客サービス部門と編集部門は週に1回、情報交換のためのミーティングを開いているという。

記者を会員制プログラムに参加させる方法は、パブリッシャーによって異なる。だが、会員制プログラムのメリットを強調する最適な手段は、記者と交流できるようにすることだという考えには、ほとんどのパブリッシャーが同意する。「編集者自身が、我々のブランドをもっとも体現する存在なのだ」とチョー氏は語った。

Max Willens(原文 / 訳:ガリレオ)

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DIGIDAY[日本版]編集部

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