編集者との交流がメディアの目玉商品なのか メディア各社がキラーメニューとして力点

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編集者と交流したいかどうかを会員に尋ねたところ、その答えは「圧倒的にイエス」だったそう(写真:vm/iStock)

消費者収益を拡大するための手段として、読者や記者が編集スタッフと交流できる機会を設けるパブリッシャーが増えている。

この記事はデジタルマーケティング戦略に特化したメディア「DIGIDAY[日本版]」(運営:メディアジーン)の提供記事です

雑誌の『ニューヨーク』は、会員制プログラムの「ニューヨーク・バイ・ニューヨーク」で会員限定イベントに力を入れている。これらのイベントの運営や管理に携わっているのは、たいてい同誌の編集スタッフで、料理評論家のアダム・プラット氏なども含まれる。また、ニュースサイトの「アトランティック」は、会員制プログラムの「マストヘッド」で、編集者が交流できる電話会議を毎週開催している。テクノロジー系メディアの「インフォメーション」(そして、米DIGIDAY)も、有料購読に対し、編集スタッフと話ができる非公開のSlackチャンネルを提供している。

広告収入に支えられたパブリッシャーは、広告主と編集者のあいだに明確な境界線を引いているのが普通だ。だが、消費者収益の拡大を目指すなかで、多くのパブリッシャーが読者と編集者を引き合わせようとしている。

「重要なのは、編集サイドが協力的になることだ」というのは、読者収益モデルの構築を目指すパブリッシャーを支援する、ニュース・レベニューハブの最高業務責任者、クリスティーナ・シー氏だ。「会員への特典の提供は、新しい会員を獲得するためではなく、既存の会員を引き留めることを目指すべきだ。会員が自社の主要な製品とつながりを持てたり、編集スタッフと交流したりできるような特典は、会員との関係を深化させ、会員からさらに収益がもたらされるようになる」。

重要度が増す適任者選び

編集チームが会員制プログラムに協力できるようにするには、ある程度の努力が必要だ。ニューヨーク・メディアのeコマース担当ゼネラルマネージャーで、ニューヨーク・バイ・ニューヨークの責任者でもあるカミラ・チョー氏によれば、編集者と交流したいかどうかを会員に尋ねたところ、その答えは「圧倒的にイエス」だったという。

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