しかし、その理由を聞いてみて、納得した。シカゴ・ブース卒の森田博和さんが言っていたように、起業は冷静、かつ、合理的な決断の結果でなくてはいけないのだ。
これまで、中国やインド、南米などで、成功した日本人起業家に話を聞いたことがあるが、成功の秘訣は、その起業家が持つ現地でのネットワークとビジネスモデルにあった。
新興国で起業したいのなら、一刻も早く現地に行ったほうがいいという人もいるが、自分が直観で「今、この国で起業したい」と思ったときが、最適のタイミングなのだろう。
大橋さんに、インドや中国に進出するのは、10年後ぐらいですか?と聞いてみたら、「いえ、5年後を目指しています」と言いきってくれたので、少しうれしくなった。
筆者の経験で言えば、MBAネットワークが密接につながっているのは卒業後2~3年。10年も経てば、クラスメートの半分ぐらいが音信不通となる。このネットワークを生かして、海外で起業するならば、卒業後なるべく早く起業したほうが得策なのだ。大橋さんには、初志貫徹で、早くアジアの舞台でMBA会計士として活躍してほしいと思う。
さて、『世界最高MBAの授業』には、今月紹介した3人の起業家のほかにも、全15人のその後を掲載している。中には驚くような決断をした人もいる。
彼らは現在、日本だけではなく、アメリカ、アフリカ、アジアのそれぞれの新天地で活躍中だ。
超一流MBA校で戦った日本人らしく、世界に挑戦し続けていることを頼もしく思う。
2014年度の入学生を選考するトップビジネススクールの面接試験はもう始まっているが、卒業生として、面接官として、ひとりでも多く「超一流MBA校で戦う日本人」が誕生することを心から願っている。
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