33歳MBA会計士が手にした「人生第二章」 東京の会社員から、アジアのリーダーへ

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しかし、その理由を聞いてみて、納得した。シカゴ・ブース卒の森田博和さんが言っていたように、起業は冷静、かつ、合理的な決断の結果でなくてはいけないのだ。

これまで、中国やインド、南米などで、成功した日本人起業家に話を聞いたことがあるが、成功の秘訣は、その起業家が持つ現地でのネットワークとビジネスモデルにあった。

新興国で起業したいのなら、一刻も早く現地に行ったほうがいいという人もいるが、自分が直観で「今、この国で起業したい」と思ったときが、最適のタイミングなのだろう。

大橋さんに、インドや中国に進出するのは、10年後ぐらいですか?と聞いてみたら、「いえ、5年後を目指しています」と言いきってくれたので、少しうれしくなった。

筆者の経験で言えば、MBAネットワークが密接につながっているのは卒業後2~3年。10年も経てば、クラスメートの半分ぐらいが音信不通となる。このネットワークを生かして、海外で起業するならば、卒業後なるべく早く起業したほうが得策なのだ。大橋さんには、初志貫徹で、早くアジアの舞台でMBA会計士として活躍してほしいと思う。

”MBA後”にはかけがえのない人脈と、新天地での活躍が待っている

さて、『世界最高MBAの授業』には、今月紹介した3人の起業家のほかにも、全15人のその後を掲載している。中には驚くような決断をした人もいる。

彼らは現在、日本だけではなく、アメリカ、アフリカ、アジアのそれぞれの新天地で活躍中だ。

超一流MBA校で戦った日本人らしく、世界に挑戦し続けていることを頼もしく思う。

2014年度の入学生を選考するトップビジネススクールの面接試験はもう始まっているが、卒業生として、面接官として、ひとりでも多く「超一流MBA校で戦う日本人」が誕生することを心から願っている。

佐藤 智恵 作家・コンサルタント 

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さとう ちえ / Chie Sato

1970年兵庫県生まれ。1992年東京大学教養学部卒業後、NHK入局。ディレクターとして報道番組、音楽番組を制作。 2001年米コロンビア大学経営大学院修了(MBA)。ボストンコンサルティンググループ、外資系テレビ局などを経て、2012年、作家/コンサルタントとして独立。主な著書に『ハーバードでいちばん人気の国・日本』(PHP新書)、『スタンフォードでいちばん人気の授業』(幻冬舎)、『ハーバード日本史教室』(中公新書ラクレ)、『ハーバードはなぜ日本の「基本」を大事にするのか』(日経プレミアシリーズ)、最新刊は『コロナ後―ハーバード知日派10人が語る未来―』(新潮新書)。公式ウェブサイト

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