目指したのは、日本とアジアを結ぶビジネス。MBA取得後は、そのビジョンを達成できる会社を起業しよう、と決めていたという。
デューク留学中は、グローバルリーダーとしての視点を身に付けることを主眼に置いた。
中でも、最も影響を受けた授業は、「管理会計」(シェーン・ディコリ准教授/スコット・ディレン准教授)の授業だった。
「この授業は、僕の会計への認識を大きく変えてくれました」。大橋さんは、断言する。
これはデュークで最も有名な授業のひとつで、経営者の視点から会計の数字を読むことをたたき込まれる。
「会計上の数字の説明のしかた次第で、人がクビになったりすることもある現実を学びました。会計とは実はとても人間的なものだということを実感できる授業でした」(詳細は『世界最高MBAの授業』(東洋経済新報社)をご参照ください)。
インドで見つけた、自分の立ち位置
卒業後の起業を見越して、アジアでの人脈作りにも邁進した。
大橋さんは、デューク留学中、インディアン・スクールオブビジネスに交換留学。およそ2カ月間、インドのハイデラバードで、日本人留学生第4号として、700人のインド人学生とともに、インドのビジネスを学んだ。そこで、起業への思いがますます膨らんだ。
「留学してみて初めてわかったことですが、アメリカでも、インドでも、優秀な学生はベンチャー企業で働くか、自ら起業する道を選びます。僕のインドでのルームメイトも起業家でしたが、彼らのあふれんばかりのエネルギーと接するうちに、『自分も起業に挑戦したい』と思うようになりました」
しかし、結果的に、インドではなく、東京で起業することにした。
「実は、インドに滞在中、近い将来、起業することを想定して、市場調査をしていたのです。その結果、自分がやりたかった日本企業向けのコンサルティング事業を始めるには、東京できちんと組織を作ってから進出するべきだという結論になりました。現地で実績もなく、いきなり情熱だけで開業したところで、クライアントを一から開拓していくのは、現実的ではありません」
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