33歳MBA会計士が手にした「人生第二章」

東京の会社員から、アジアのリーダーへ

通常、インドの日本企業は、BIG4と呼ばれる大手の監査法人やコンサルティング会社に仕事を依頼する。

ベンチャー企業が、そういう大手と競合しても勝ち目はないので、起業を成功させるには、新しい付加価値をつけたサービスを提供しなくてはならない。そして、何よりも必要なのが、新しいサービスを成功させた実績だ。

インドで実際に学んでみて、まずは東京で起業することを決意した

インドで日本人起業家にも出会ったが、大橋さんは、自分が描いているビジネスモデルでは、まずは日本で創業するのがベストだと思ったそうだ。

「日本に元気を取り戻したいという思いもありました。日本人であること、会計士であること、さらには、MBAホルダーであること、といった自分の強みを生かし、今は、インドで起業するよりも、日本発のグローバルベンチャー企業を増やすことが使命だと考えるようになりました」

欧米流と違う、中国式ネゴシエーション

ベンチャーインクの5年後の目標は、インドに加え、中国にも進出することだ。今年の夏には、中国の市場調査を兼ねて、北京大学光華管理学院に1カ月留学した。

大橋さんが参加したのはビジネススクールの在校生および卒業生を主な対象とした“Doing Business in China”という短期留学プログラムだ。費用はおよそ、3万1000元(50万円)。授業では、「中国への投資方法」「中国企業でのリーダーシップ」など、中国に特化した経営学をすべて英語で学ぶ。教授陣は、欧米の大学院で学位を取得した中国人エリートだ。

デューク卒業後、今度は中国にも留学(写真は、北京大学光華管理学院にて)

大橋さんが最も面白いと思った授業は、中国人との交渉術を学ぶ「中国人とのネゴシエーション」。デュークで学んだ欧米流の交渉術とは大きく違った内容だった。

「たとえば、『中国では時計は“死”を連想させるため、贈り物としてはいけない』というような実務的な礼儀作法から、中国人の価値観まで、まさに中国人を理解することを目的とした授業でした。北京大学のMBAプログラムの学生を相手に、1対1で交渉する演習もありましたが、中国人は、『メンツ』を何よりも気にしますので、相手を尊重しつつ、何を求めているのかを探るのが難しかったです」

このプログラムには、中国企業の訪問や、MBAプログラムの学生との交流イベントも組み込まれている。

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