「Facebookの凋落」が日米企業に課した大問題 広告効果の低減を避けられない状況にある
SNS史上、最大級のスキャンダル
2016年に行われた米大統領選挙で、トランプ陣営が契約していた政治・選挙関連のコンサルティング企業、英ケンブリッジ・アナリティカが、大量のフェイスブック利用者の個人情報を収集、不正流用していたという疑惑が報じられてから、1カ月経った。当初不正流用されたと見られる個人情報は約5000万人分だと報じられていたが、その後「最大約8700万人」にまで上方修正され、その規模の大きさだけでなく、第三者が(おそらくは政治的な活動に)不正利用したという点と合わせて、世界中に大きな波紋を呼んでいる。
もともと、この問題の発端は、2013年に英ケンブリッジ大学の研究者がフェイスブック上に公開した診断系アプリにある。フェイスブックユーザーであれば、自分のニュースフィード上に「友だち」が遊んだ診断系アプリの結果が流れてくるのを目にしたり、あるいは自分で試したりしたことがあるだろう。今回の件は、こういったアプリの利用をきっかけに(規約に従い、利用者の同意を得たうえで)収集したユーザーのデータを、研究者がケンブリッジ・アナリティカに不正に流したところから始まっている。
フェイスブックは、この一件が報じられた直後、株価を大幅に下げ、「*FANGの一角が崩れた」とまで言われたり、マーク・ザッカーバーグCEOが、米議会における公聴会で長時間にわたる証言を行ったりと、現在、まさに慌しい流れの最中にいる。
そして、この慌しい流れを経て、フェイスブックは今、変わることを余儀なくされている。これまで同社は、ユーザーデータの取扱に関して、それが問題視されるような声がささやかれ始めたら、都度修正していくといったスタンスを取ることが多かった。
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