財務事務次官によるセクシュアル・ハラスメント問題が大きな注目を集めている。報道倫理の問題、メディアの取材姿勢などに論点は波及しているが、この記事では、そもそもの問題の原点である、セクハラの原因や背景について考えてみたい。
今回、セクハラの被害者である女性が勤務するテレビ朝日の対応に問題があったことは事実だ。まずは女性が上司にセクハラの事実を相談した時点で、何らかの組織対応をするべきだったといえる。
その一方で、この次官の行為を軽いものとして考える論調も散見される。「謝罪して、仕事を続けるべきだった」「セクハラは問題だが辞任するほどのことではない」といった声も聞こえてくる。別に触ったり、性交渉を強要したわけでもないから大したことではない、セクハラ発言などは事の本質ではない、という理解なのだろうか。
「痴漢」にも似た思考パターン
筆者の周囲の複数の財務省関係者によれば、福田次官のセクハラ癖は周知の事実だったようだ。酒の席で、女性記者に絡む癖は有名で、「いつか、これで失敗する」と長年、言われてきたという。
特に、若くて、口答えしないようにみえる女性をターゲットにセクハラ発言を繰り返してきたという。そういう弱い立場の人間であれば、歯向かうことも抵抗することもないだろうという「痴漢」にも似た思考パターンに見える。
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