いずれにせよ、女性を「ヒト」としてではなく「モノ」として取り扱う思考の持ち主である可能性は高い。頭の知能指数IQに対して、心の知能指数といわれるEQ(Emotional Intelligence Quotient)、つまり「共感力」が限りなく低いということだ。この格差がセクハラやパワハラというひずみとなって表出する事例は少なくない。
日本では、リーダーに求められる資質として、「共感力」の必要性が言及されることはあまりないように思われる。独断的で強いリーダーシップは決断力があると評価され、非情なリーダーほど結果を出しやすいというイメージも強いのではないだろうか。
一方で、他人の気持ち・思いをよく理解し、高い共感力を持っていることがリーダーにとって必要な資質であるという理解はあまりされていない。
共感力は必須のスキル
しかし、共感力は現代のリーダーにとって、必須のスキルであり、大手企業の最高経営責任者をみても、マイクロソフトのサティア・ナデラやアップルのティム・クックなど、アメリカ企業では共感系リーダーが、頭角を現わしてきている。
「EQの高いCEOの方がそうでないCEOよりも業績を上げている」という研究(引用元)も多く、リーダーにとってEQの重要性はますます高まっている。このように組織を率いる人物として、共感力が強く求められる時代にあって、女性を単なる性的物体としてしかとらえない人が、このグローバル時代のリーダーとしての資格を有しているとはとうてい言いがたい。
筆者は10年ほど全国紙記者を務めており、今回の記者の行動について、報道倫理の観点から問題があることは十分に理解している。しかし、だからといって、次官の行動が正当化されるものでは決してない。徹底的な調査を続けて、真相を明らかにしていく必要があるだろう。
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