熟年パパが直面する「子育て中の介護」問題 親が倒れたら、おカネはいくらかかるのか

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熟年パパたちは、今から10年も経たないうちに親の介護問題に直面する可能性がある(写真:Yagi-Studio/iStock)
仕事に子育てに忙しい日々を送る40〜50代の熟年パパたち。けれど、もうひとつ、忘れてはいけないことがあります。それは、「親の介護問題」。2025年には、約800万人の“団塊の世代”が75歳を迎え、後期高齢者となるため、介護・医療施設の受け入れ体制がパンクすることも懸念されています。熟年パパ世代には、“団塊の世代”の子どもたちも多くいることでしょう。
内閣府が発表した「平成29年版高齢社会白書」によれば、介護保険制度における要介護・要支援の認定を受けた人は2014年度末で591万8000人。75歳以上の被保険者のうち、32.5%が認定を受けており、約3人に1人は何らかの介護支援が必要な状況となっています。
つまり、熟年パパたちは、今から10年も経たないうちに親の介護問題に直面する可能性があるのです。介護離職に追い込まれる人も増えている中、「その日」をただ待つより、今から準備できることをしておきたいもの。
今回は、『もし明日、親が倒れても仕事を辞めずにすむ方法』(ポプラ社)の著者で、介護の悩みを解決するミッションに取り組むNPO法人となりのかいごの代表・川内潤さんに「熟年パパが親の介護と向き合うために必要なこと」についてお伺いしました。

「自分がやらないと親不孝」は間違い

介護職出身であり、親の介護に悩む人々の個別相談や企業の介護セミナーなどを手掛けている川内さんは、「40~50代のうち、8~9割が介護への不安を感じている」と話します。

「まだ介護に直面していない人たちには漠然とした不安があり、『具体的にどうしたらいいのかわからない』という相談が多いですね。特に多いのが、おカネの不安。中高生の子どもがいるケースも多く、今後の教育費に親の介護費用が重なることを恐れているようです。また、介護生活が始まった人の場合は、仕事と介護の両立に苦しんで疲弊しているケースも少なくはありません。毎週末、遠く離れた実家に通い続け、子どもの入学式や運動会に行くこともできないと悩む人もいますね」

「育ててくれた親の面倒は自分が見るべき」と考え、すべてを抱え込もうとしてしまう。川内さんによれば、「そこがいちばんの問題」なのだそう。

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