熟年パパが直面する「子育て中の介護」問題

親が倒れたら、おカネはいくらかかるのか

「生活苦に陥らないためにも、まずは親御さんの年金で賄う工夫をしましょう。介護保険を活用すれば、ある程度の介護体制は作れます。障害者手帳の交付や自立支援制度の利用などで、医療費の補助を受けたりすることもできますし、自己負担の軽減も可能です。また、毎月の介護費の自己負担額が一定以上になった場合、払いすぎた金額が返ってくる高額介護サービス費用、高額介護合算療養費などの還付制度もありますね。ただし、注意してほしいのは、利用するサービスを増やしたり、高額なサービスを選ぶことが、必ずしもいいわけではないということです」

介護する側・される側、双方にとって快適な環境づくりを

たとえば、「認知症による徘徊を防ぐには、24時間監視してもらう体制が必要」「食事をのみ込めなくなったら、医療機関に入院させねば」などと考えてしまう人もいます。しかし、それでは何の解決にもならないのです。

「徘徊で外出する背景には、外に出たい何らかの動機があります。大事なのは、それを探り、どう解消するか。ただ監視して閉じ込めるだけでは何の解決にもなりません。また、一時的な嚥下障害であれば、適切なリハビリ介助で自立支援を行えば、自分で食事が取れるまで回復することもあります。介護する側の負担を軽減するために、どんどん介護サービスを使っても根本的な解決にはなりませんし、プロの判断による適切な対応をしてこそ、介護する側・される側、双方にとって快適な環境づくりにつながります。サービスの内容も量も、適正なものに近づけていくことが重要ですね」

そのためにも、「いいケアマネジャーを選び、何でも相談すること」がポイントに。ケアプランの相談に乗り、要介護者とその家族の介護生活をサポートしてくれる存在ですが、その良しあしをどう見極めればいいのでしょうか。

「家族の言いなりになってしまうのではなく、気持ちや状況を理解してくれたうえで、プロとして何が必要かを判断できることが重要です。家族の思いも酌み取り、症状の今後を予測した“半歩先を行くような提案”をしてくれるかどうかが見極めポイントになりますね。

介護の専門家だからと任せきりになってしまう人もいますが、ケアマネジャーを代えることはできます。自らどんどん相談し、ダメだと思ったら代えるべきですし、それが介護業界全体のサービス向上にもつながるはずです。国の社会保障費は今後どんどん削減されていくことが予想されていますが、ユーザーが適切なサービスを選ぶことで国庫の負担も軽減できるのではないかと考えています」

しっかり心構えを持ち、全体像を知っておけば、任せきりではなく、意思を持って選択していくことができるのです。「そのとき」がくるまで放置せず、いまから準備を始めておくことが、親にとっても、そして、自分や家族にとっても、穏やかな介護生活につながると言えそうです。

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