③フレームワークを使う
複雑なテーマになってきた場合にはフレームワークを活用することをお勧めします。フレームワークとは「枠組み」や「構造」と訳され、まさに構造化した文章を書く際には便利です。
事業企画なら3C(Company:自社、Competitor:競合、Customer:顧客)など、テーマによって使いやすいフレームワークがあります。5W1Hなども汎用的に情報を整理できます。
これらはすべて覚える必要はありません。書店に行くとさまざまな人に話したくなるフレームワーク集がありますので、自分の文章のテーマに応じて見てみるとよいでしょう。また、すべての要素をそのまま使わなければいけないわけではなく、取り扱う情報に応じて減らしたり、増やしたりすることで自分の文章にあった構造化ができます。
物語性の高い文章の書き方
①ほかの人に話したくなるかを目指す
構造化の文章ではフロアマップを目指すと言いましたが、物語性の高い文章で目指すのは、「読んだ人が他の人に話したくなるか」を目指すとよいでしょう。いい話や面白い話を聞くと、ついつい人に話したくなるという経験は皆さんもあるのではないでしょうか?
私はコンサルタント時代に、上司から「この提案の内容、クライアントが同僚や家族に“今日、こういう話をされたんだけどさぁ”ってしゃべりたくなるかな?」と言われたことがあります。それくらい印象深い内容かどうかということを問われたわけです。
②エピソードを取り入れる
物語性の高い文章に必要なのは、できるだけ具体的なエピソードです。自分が体験したこと、そこから生まれた思いを自分の言葉で語りましょう。
ある化粧品の新製品の企画書の冒頭には、「震災後、ボランティア活動で仮設住宅を回って被災した人にお化粧を施したところ、見る見るうちに表情が変わり、“希望を失いそうになっていたけど、明日からまた頑張ろうと思えるようになった”と涙ながらに喜んでもらえた。使う人に生きる希望を与えたいという思いで新商品を開発した」という文章がありました。このエピソードに心を打たれる人は多いのではないでしょうか。実体験からくる動機には共感が集まりやすいのです。
③恐れずに主観的に書く
構造的な文章は客観性が問われますが、物語性を強めるのであれば反論を恐れず、自分の思いを主観的にかたりましょう。スタンスをとる、自分の立ち位置を明確にするということは勇気のいることですが、これがないと物語性は強まらず、共感も得られません。構造化された文章は「こうすべきです」というべき論ですが、物語性の高い文章は「私はこうしたい」という意思を表します。意思ある文章に人は動かされます。
以上、2つのタイプの文章についてお話ししてきました。ビジネス文書では情報が整理され理解しやすい構造的な文章は最低限必要です。そこに物語性の高い文章を加えることでさらに伝わりやすくなると考えてみてください。皆様のやりたいことの実現につながることを願っています。
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