SNOWの「一眼」は、アプリのシャッターを押すと人物を認識して、人物以外が自動でボケます。SNOW Japan事業統括の崔智安氏によると、SNOWの顔認識技術を応用しているとのこと。
「撮影した写真をアプリを使って加工するには、時間が掛かります。しかしSNOWは、プレビューにこそ表示されないものの、リアルタイムで背景をぼかす処理をしています。それは、SNOWが顔認識を行う技術を使って、顔の下には体があると判断して人物全体を認識しているからです。2018年1月のアップデート版で、すでに体認識ができるようになっています。まだローンチしていませんが、足まで全身を認識する技術も開発済みです」(崔氏)
崔氏によると、今後リアルタイムで背景を入れ替えて写真や動画を撮影できる機能がリリースされるとのこと。「足まで人物を認識することで、背景をすべて入れ替えることができます。それは、テレビの撮影などで行われるクロマキー合成とは逆の手法です。クロマキー合成では、緑や青の背景の前で人物を撮影し、緑や青を飛ばして人物のみを認識します。SNOWでは人物を認識し、それ以外は背景として処理を行います」(崔氏)
もちろん、こうしたテクノロジーをSNOWユーザーが意識することはありません。実際に「一眼」機能を試してみたところ、人物以外を自然にぼかし、人物と背景の境界に違和感もありませんでした。SNOWらしく、目を大きくするビューティ加工も併用できます。
背景ボケといえば、人物に限りませんよね。自然の風景をアウトカメラで撮影するケースもあります。SNOWの「一眼」では、人物のいない画像では中央にフォーカスを合わせます。中央以外にフォーカスを合わせられないことが少し残念な印象ですが、よくSNSにアップする食べ物の写真などは周囲がボケるだけでも雰囲気がよくなります。
Instagramのストーリーをカメラとして使う女子高生も
若い世代を中心に人気上昇中のInstagramも、「ストーリー」に背景をぼかす「フォーカス」機能をリリースしました。背景ボケを確認しながらセルフィー写真や動画が撮影できる機能です。インカメラ、アウトカメラの両方でポートレート風なボケを楽しめます。Instagramも顔認識を利用しているため、人の顔が入っているときのみフォーカス機能が利用できます。
ある女子高生に聞いたところ、「最近はストーリーのカメラで全部撮ってる」とのこと。Instagramで撮影した写真は、そのままストーリーに投稿することも、スマホに保存することもできます。ストーリーの閲覧、投稿、メッセージのやりとりなど、Instagramをベースに活動している彼女は、いっそInstagramで写真を撮ったほうが楽なのでしょう。若い世代はアプリのアップデートを後回しにする傾向があるので、彼女はリリースされたばかりのフォーカス機能を知りませんでしたが、これから使いたい!と喜んでいました。
カメラやレンズといったハードウエア、そしてアプリであるソフトウエアと両面でテクノロジーが進化することにより、手軽にポートレート風の写真が撮影できるようになっています。SNOWの崔氏は「動画や写真は単なる“記録”だったが、今はコミュニケーションツールへと変化した」と話していました。「写ルンです」やスマホアプリなど、自分を表現するためのカメラを自由に選べる時代になりましたね。
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