「実質ゼロ円スマホ」が販売店で消えない理由 総務省と通信会社の終わらぬいたちごっこ

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それでも過剰な値引きが横行するのは、規制対象が通信会社で、代理店には及ばないためだ。総務省は、通信会社が「店舗維持費」などの名目で代理店に渡すおカネの中に、値引きやキャッシュバックの原資を混ぜ、規制をかいくぐるケースが多いとみる。

通信会社側は否定するのみ

ただ、こうしたやり方を証明するのは難しく、総務省が取り締まるのはハードルが高い。両社は取材に対し「そういう指示はしていない」(ソフトバンク広報)、「販売店が独自にやっている施策だろう」(KDDI広報)と関与を否定する。

この説明どおりなら、代理店は自腹でスマホ端末代を負担し、高額なキャッシュバックをしても採算が取れる摩訶不思議な話になる。あるいは、端末在庫をさばくために通信会社側から過重なノルマを課され、未達成時のペナルティが大きいため無理をしている可能性もある。

総務省は今後、独占禁止法に抵触する可能性があれば、公正取引委員会に情報提供を行うなど、対策の強化を検討する。ただ、どこまで食い止められるかは未知数だ。結局は通信会社側のモラルと、通信会社の姿勢に対する消費者の選別眼が問われそうだ。

奥田 貫 東洋経済 記者

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おくだ とおる / Toru Okuda

神奈川県横浜市出身。横浜緑ヶ丘高校、早稲田大学法学部卒業後、朝日新聞社に入り経済部で民間企業や省庁などの取材を担当。2018年1月に東洋経済新報社に入社。

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