気持ちいい!「足裏ブラシ」大ヒットの舞台裏 ヒットの理由はテレビ効果だけではない

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サンパックは、1971年にグループ会社である三和紙器の研究開発部門が分離した会社です。なおこの三和紙器は、1964年に青山会長が創業、従業員425人(2018年3月現在、パート含む)で段ボール等の製造販売をしています。段ボールといっても「紙粉除去段ボール」という特殊な製品で、飲食品、衛生品の梱包用に使われる“安心段ボール”です。

フットグルーマーグランと青山社長(写真:サンパック)

この紙粉除去技術の遺伝子が、現在のフットグルーマーグランにも受け継がれているといえそうです。なお、その用途が食品用であることからミスタードーナツやコメダ珈琲店などと親しく、現在15店のフランチャイジー(加盟店)を関西中心に運営しています。意外とわれわれの身近にある会社なのです。

前述のように、サンパックは、この三和紙器から1971年に分離独立した会社です。従業員は47人で、家庭用品、パッケージの企画開発・販売を手掛けます。兵庫県丹波市に樹脂成形工場を持ち、ODM(委託元のブランドで自社企画製品を製造・販売すること)で清掃用具、家庭用品などを製造しています。

今から23年前、同社は「商品開発を通じて新しい生活文化をつくりたい」と標榜。長年の研究経験を生かし本格的に自主ブランド商品の開発に着手しました。

そこから、前述の「フットグルーマー」シリーズ、さらにツボをステンレスボールで刺激する「キュートボディ」、挟んでもみほぐすローラー「ハナ」シリーズなど20以上のアイテムが誕生しました。

さらなる気持ちよさとホンモノの健康効果を追求

フットグルーマーの前身が開発されたのは、今から20年以上前。その商品アイデアという意味では、50年近く前のある社員の個人的体験にさかのぼるそうです。

始まりは、その社員(元役員)が高校時代、風呂の床のひび割れに足を擦(こす)ったときの「気持ちいい!」という体験からでした。この気持ちよさを求め、入社後に作ったトライサンプルは、逆さにしたデッキブラシでした。でも泡立って気持ちよく洗えるものの、ブラシ間にカビが発生してすぐにお蔵入りに。衛生面を改善した次の試作品は、実際にせっけんをつけて洗うとうまく泡立ちません。

しっかり泡立てるには「空気とせっけんと水分」のバランスが大事だとわかり、それらがうまく混ざるように試行錯誤を繰り返しました。その結果、見事に泡立つ「足洗おっ!」が誕生。記念すべきオリジナル商品第1号として、1996年に発売されたのです。

その改良版が女性への販売を意識した「リフレステ」です。リンゴ型で風呂場の床に固定できる吸盤付きの商品でした。次の3代目が、2012年に発売され現在も取り扱っているフットグルーマーです。ブラシの先端に研磨剤を塗布した初めての商品です。ブラシ一つひとつ、手作業で丁寧に仕上げていきます。特許も取得し、究極の気持ちよさを求め、最適の弾性、研磨力、耐久性にこだわりました。

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