今回は、下請け一筋の靴下製造工場が、いかにして自社ブランドのスポーツ靴下を立ち上げたか、という話です。商品は、今やアスリートに大人気の3D(立体)ソックスで、そのスポーツ用靴下を製造販売しているのが、大阪府松原市にあるコーマという会社です。
社長の吉村盛善(のりよし)さんは、3Dソックスの開発経緯をこう語ります。
靴下は150年前と同じ形状
「そもそも、足の形が左右別々の形なのに、靴下が同じ形なのはおかしい、という発想です。世に出回っている靴下は150年前と同じ形状で、足首の入る筒があってつま先とかかとに台形状の袋がついているのが基本形。左右が同じ単純構造です。でも実際の足は凹凸があり非対称で、とても複雑な形をしています。足の出っ張りとくぼみにぴったりフィットする3次元形状の靴下を作ろうと思いました」
中国やアジアで生産された3足1000円程度の安価な商品が出回る中、普通の靴下を作っているだけでは生き残れません。もともとコーマは、スポーツに特化した靴下をOEM(相手先ブランドの生産)で大手スポーツメーカーに提供しており、その技術力は折り紙付きです。
高機能であれば少々値段が高くても消費者に受け入れられるはずだ、と考えました。
そんなオリジナル靴下をつくっているコーマとはどのような会社なのでしょうか。
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