「東大女子」が自ら選択肢を狭めてしまう理由

偏差値至上がつくりだす学歴上昇婚思想

川上:そうですね……。一方で、子どもが生まれたら、専業主婦になってもいいかなという思いもあるんです。

おおた:でも、せっかく東大まで来たのに……という気持ちもある?

川上:あります!

おおた:頑張って難しい大学に入るのは自分の選択肢を増やすためだってことはよく言われるんだけど、実際本当に頑張って選択肢を増やしてしまうと、頑張ったことによって増えた選択肢から選択しないともったいないっていう気持ちになることあるよね。それって実は選択肢を狭めているんだよね。頑張って得られた選択肢を選んだ人生のほうが上等な人生だと思ってしまうからなんじゃないかな?

川上:そうかも……。

おおた:猛勉強して司法試験に受からないと弁護士にはなれない。一方、確かに東大に行かなくたって専業主婦にはなれる。でも弁護士として生きる人生と、専業主婦として生きる人生のどちらが上等かなんて、比べようがない。本人がどれだけ自分の人生に誇りをもてているかが大事。

川上:確かに……。

高学歴女子の葛藤が垣間見られる。拙著『ルポ東大女子』執筆のために行ったインタビューの一幕である。

社会の偏差値過敏症が治れば少子化が緩和する!?

カーレースに例えれば、「東大」とは「競争社会」をスタートする時点での「ポールポジション」である。ポールポジションを得るために、学校教育が「競争社会」の「予選」になり下がり、「学歴社会」「偏差値主義」が跋扈した。しかし「競争」が緩和すれば、ポールポジションにこだわる必要は薄れる。そうすれば、おのずと「東大」に対する過度な意味づけも和らぐはずだ。

しかも人生というレースは短時間で勝ち負けを争うものではない。むしろ耐久レースに近い。瞬発力より持久力がものをいう。レースが長時間になればなるほど、途中でピットインも必要になるし、トラブルも起こる。ポールポジションが有利なのは最初の何周かだけ。そのために「予選」でムキになる必要はない。ポールポジションを取れなかったらもうおしまいと考えるのは、大げさだ。

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