「東大女子」が自ら選択肢を狭めてしまう理由

偏差値至上がつくりだす学歴上昇婚思想

川上:入学したときの女子オリエンテーションで、東大出身の女性の配偶者の多くは東大男子であるという話を聞きました。確かに『早稲田とか慶應とかの男子からしてみたら、東大女子は扱いにくいんだろうね』って話を、友達とよくするんです。

実際、東大女子の約7割は東大出身の男性と結婚しているというデータがある。

おおた:『自分より偏差値の高い女子は扱いにくい』と男の子たちが思っているんじゃないかという意識が、東大女子の中にあるということだよね。

川上:そういうことですね。で、結局、東大男子のほうが、同じ東大生として、私たちの気持ちを理解してくれるんじゃないかという話になります。でも、東大男子についても、人を選ばないとダメなのかなとも。常識がない人も多いよねって。

おおた:たとえば?

川上:東大の英語の授業で、ドラマを見ました。企業の役員がみんな男性だというシーンを見て、これはどうしてかという議論をすることになりました。すると都内の超有名男子校出身の学生が『それは女の人の能力がないからでしょ』と言い放ちました。びっくりしました。そういう人が官僚とかになっていくのかなぁなんて(笑)。

おおた:東大出身の男性は、おそらくそこそこのキャリアパスを手に入れる。しかも東大生共通の傾向として、競争意識が強いと聞く。だとすると、企業でも官庁でも出世競争にのみ込まれていく。熾烈な競争の渦中にいて、『あなた、子育てもして』と言われるとものすごい葛藤を感じるかもしれない。

そうすると、夫婦ともに譲れなくなる。同じ東大出身だから自分のことをわかってくれるという期待がもてる一方で、相手も東大出身だからこそ、競争社会から降りられないというのもあるよね。東大じゃない大学の男子がみんな家事や育児に理解があるかといったら全然そんなことはないとは思うけど。

川上:高校の同級生には早稲田や慶應に行っている人たちもいて、彼らを見ているとむしろ性格的に東大生よりもいいかもと思うことも多いので、全然いいんじゃないかなとは思います。

「学歴上昇婚」の傾向があるかぎり

おおた:でも実際は、女性は自分よりも偏差値の高い大学を出た男性と結婚する『学歴上昇婚』の傾向がある。この傾向があるかぎり、東大女子は東大男子と結婚するしかないじゃない。これはどうすればいいんだろう?

川上:うーん。

おおた:たとえば、偏差値による大学の序列がなくなればいいんじゃない?

川上:それはそうですね。

おおた:出身大学にとらわれずに結婚して、子どもができたときに、夫婦でどれくらい仕事をセーブすればいいかを話し合って、合理的な判断をすればいい。そこで仮に一方の子育ての負担が大きくなって、仕事をセーブしなければいけなくなったとしても、子育てが一段落した時点でまた仕事に復帰しやすいような社会であればいい。そういうことだよね。

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