27歳「発達障害」の彼女がついに得た居場所 転職繰り返し、同境遇の子に寄り添う道選ぶ

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希望する教育系の仕事に就けたものの、そこの職場の働き方が異常だった。担当している生徒の成績をどうにかして上げ、受験に合格させねばならないというプレッシャーもあった。会社からは残業を禁じられていたが、同期の2人が朝5時まで残業をしていたため「自分もやらなきゃ」と、一緒になって残業した。

「必死で授業の準備をしていたのですが、机の中は書類でぐちゃぐちゃ。使っているテキストはどの生徒も同じなので、一部だけコピーして持っていけばいいだけなのに、一人ひとりの生徒分全部コピーして持っていかないと気が済まなくてコピーばかりして、それを全部机の中に突っ込んでいて……。でも、すごく信頼してくれるご家庭もあって、仕事自体は楽しかったです」(植野さん)

しかし、残業続きのオーバーワークが負担となり、同期と授業のロールプレイングをしている最中に軽い動悸が出てきて、またしても精神科を受診。このときは、当時の医師から双極性障害の診断がくだっていた(現在は、別の主治医)。

双極性障害は、かつて「そううつ病」と呼ばれていた精神疾患だ。そう状態のときとうつのときの状態の差が激しいことが特徴的な病気であるが、ADHDと双極性障害は、医師でもその差の判断が難しいと言われているほど、似た症状を持つ。

仕事を辞めざるをえない状況となり、1年で退職した。しばらくは求職活動をしていたが、3社面接を受けて3社とも落ちた。

衝動的におカネを使う、衝動的に髪を切って後悔する

「そこから吹っ切れて衝動性が発動しました。今でこそ笑い話にできるネタですが、無職の期間、毎日1万円ずつ下ろして外出し、1日で1万円を使い果たすという日々を送り始めたんです。買ったもののほとんどは、必要がないものや、欲しいものではなかったので、今手元に残っているものは、ほんのわずかです。当時は、無駄遣いをしているという自覚がまったくありませんでした。

また、これは今も使っているので結果オーライではあるのですが、ペアになっているCOACHの財布とキーケースを衝動的に買ったんです。具体的な金額は覚えていませんが、おそらく4万~5万円は払ったと思います。私自身はブランド物にあまり興味はないはずなんですけど……。そうやって毎日おカネを使っていたら、会社員時代に月5万円ずつ貯めていた貯金が気付いたらほぼなくなってしまいました。でも、完全におカネがなくなって、人におカネを借りるところまではいかなかったのはよかったと思っています」(植野さん)

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