発達障害の子どもを正しく理解していますか 一人ひとりに合った支援が必要だ
発達障害とは、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」(発達障害者支援法より)(※1)。
特別支援学級在籍者数は増加
首相官邸によると、特別支援学級在籍者数は、2004年の90851人から、2014年には18万7100人へと増加。通級による指導を受けている児童生徒数も、2004年の3万5757人から、2014年の8万3750人へと増加傾向にあるというデータがあります。いずれも、発達障害のある子どものニーズが増加しているからだとされています(※2)。
文部科学省は、全国の公立小中学校の約5万人を対象にした2012年の調査結果で、「知的発達に遅れはないものの学習面又は行動面で著しい困難を示す」とされる、いわゆる”発達障害の可能性のある”児童生徒の割合は6.5%であると公表しました(※3)。
2004年に「発達障害者支援法」が施行され、発達障害のある子どもに対する支援のニーズも徐々に増加するなど、学校側のさらなる支援体制が求められる中、同調査で以下のようなデータも示されています。
「(“発達障害の可能性のある”推定6.5%の児童について校内委員会において、現在、特別な教育的支援が必要と判断されていますか」という質問に対し、「必要と判断されている」と回答した公立の小中学校は18.4%。一方で、「授業時間以外の個別の配慮・支援を行っていますか(補習授業の実施、 宿題の工夫等)」という質問で「行っている」と回答したのが26.3%、「授業時間内に教室内で個別の配慮・支援を行っていますか(特別支援教育支援員による支援を除く)(座席位置の配慮、コミュニケーション上の配慮、習熟度別学習における配慮、個別の課題の工夫等)」という質問で「行っている」と回答したのが44.6%という数字も出ています(※3)。