発達障害の子どもを正しく理解していますか 一人ひとりに合った支援が必要だ
調査を行った協力者会議からは、「学習面又は行動面で著しい困難を示すとされ、かつ、校内委員会において特別な教育的支援が必要とされた児童生徒の割合が、約18%にとどまっていることは、各教員が個別に工夫しつつ特別支援教育に取り組んでいる一方で、個別の配慮・支援が必要なすべての児童生徒について、各学校の校内委員会が支援の必要性の判断に関与していない可能性がある」と指摘し、今後の調査に委ねるとしています(※3)。
発達障害の子、支援者を同時に育成する新しい取り組み
「発達障害というのは、法律も施行されて短く、暗中模索で皆さん積み上げて来られている中、それでも目の前の生活やお子さんの成長は止まらない。そのような中で皆さん困ってこられたというのが現状。ニーズの高さをつねに感じています」。こう話すのは、一般社団法人「子ども・青少年育成支援協会」代表理事・上木誠吾さんです。
「子ども・青少年育成支援協会」では、臨床心理士のチームが、発達障害などの特別なニーズを持った子どもの支援に加え、彼らの理解者・支援者の育成も同時に行っています。
関連法人が運営する「あすはな先生」は、「あすに花咲くたねを育てる」を理念に、現在関西を中心に3つの教室を運営している学習塾です。対象は、発達障害、不登校・引きこもりなど、「グレーゾーン」といわれる法的な支援の網から外れてしまっている特別なニーズのある子どもたち。一人ひとりのニーズに対応できるよう家庭教師、個別学習塾、ソーシャルスペースの3つのサービスを設けています。これまで、小・中学生を中心に約560人の子どもの支援を行ってきました。
「あすはな先生」で子どもたちを教えるのは、大学、大学院等で心理学・福祉学・教育学などの領域を学ぶ学生や若手専門家。採用時の独自の認定試験制度、毎月の自主的な勉強会や参加必須の研修会など、生徒さんによりよい支援をしていくための知識・経験を得る機会を、先生たちに積極的に提供しています。