発達障害の子どもを正しく理解していますか 一人ひとりに合った支援が必要だ

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たとえば、低学年の子どもたちに使用する「がんばりポイント」。「いすに座れていましたね」「静かにしていましたね」「プリントを頑張っていましたね」と、先生がその場その場でしっかりとフィードバックしてポイントをつけていくもの。ご褒美には、そのお子さんが好んで行っている、数字や書字の勉強にもなるプリントがもらえる仕組みです。ポイントがもらえなかった理由を考えていくようになることで、「静かにしよう」「プリント頑張ろう」と、どんどん自発的にもできるようになるということが非常に多いと宮崎さんは言います。

「外発的要因で勉強に向かうという動機をつけながら、ちょっとずつ『自分で頑張らないといけないな』という内発的な動機づけにつなげていくためのツールとして使っています」

子どもにとっても親にとっても大きな存在

「ちょうど息子が勉強したいというところに入り、通える塾をいっぱい調べたのですが、どこにもなくて。この子がハンディキャップがあるということを、最初は病院に認めていただくことができなかったので、探すのには本当に苦労して。そんなとき『あすはな先生』のチラシをいただいて、やはり飛びつきましたね」。こう話してくれたのは、10歳ごろから「あすはな先生」に通う18歳のけいすけ君(仮名)のお母さんです。

「あすはな先生」に通い始めて以降、けいすけ君の大きな変化を日々実感していったといいます。

「家庭教師から始め、一歩ずつ進んで、『あすはな先生』の教室に通えるようになるという、すごく大きな進歩がありました。欠点があれば、『あすはな先生』ではそこを補ってくれ、そうすると次に必ず伸びている。もっと多動でしたし、コミュニケーションも取れなかったのが、必ず約束を守るし、行動もサッとやってくれるように。自閉症特有の『こだわり』といわれるものが、息子については薄れていますね。すごく大きな変化が目に見えて現れたので、正直驚きました。『あすはな先生』は息子が自分を出せる場所でもあるので、大きな自信もついて。とても彼にとっては大きかった存在の場所だったと思います」

また、お母さん自身の心をも、「あすはな先生」は支えてくれたといいます。

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