発達障害の子どもを正しく理解していますか 一人ひとりに合った支援が必要だ

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

また、2016年には「発達障害サポーター’sスクール」を開講。発達障害のある子どもたちの「よき理解者、よき導き手」となる学習支援者を養成するために、「発達障害学習支援サポーター」という民間の資格を取得できる制度を整えるとともに、発達障害を基礎から学べる講座も定期的に開催しています。

臨床心理士の専門家集団だからできること

「あすはな先生」では、多角的に子どもたちを理解するため、通ってくる子どもたちにはまず、臨床心理士によるヒアリングを行っています。内容は以下の6項目。

1、子どもの全体像の把握(子どもの持つ特別なニーズ、診断の有無など)
2、学習面の把握(認知を含む)
3、生活面の把握(対人関係など)
4、医療機関、相談機関とのかかわりの把握
5、検査結果
6、生育歴(幼少期の様子が発達障害の診断基準になることもある)

あすはな先生事業責任者で、臨床心理士・精神保健福祉士の資格を持つ宮崎圭祐さんは、「ヒアリングでいちばんわかってくる側面は、子どもたちの全般的が持っている特性という部分です。特性というのは、たとえば、子どもたちの発達上の特性、障害の特性、認知の特性、そして学習面での特徴。その特性に合わせて、かかわり方を変えたり、言葉のかけ方を変えたり、指導の仕方が変わってくる」と話します。

特に、「認知」といわれる特性についての理解は、子どもたちの学習に対する理解度を大きく変えるといいます。

「認知とは、人が情報を処理する流れ、インプットからアウトプットまでのことを指しています。たとえば、あるお子さんには言葉でずっと説明していたら理解がすごく早く進んだにもかかわらず、他のお子さんに同じ説明の仕方をするとまったく理解が進まない。でも、絵や図や写真を駆使して説明するとそのお子さんは非常に理解が進むという場合もあります。特性に合わせてかかわりや指導の仕方を変えないと、子どもたちの理解度も変わってくるということです」

「あすはな先生」では、臨床心理士のチームならではのツールも使用し、子どもたちとのかかわり方を工夫しています。

次ページどのようなツールなのか
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事