「私立小か公立小か」で迷う親が見落とす視点 ネガティブ要因で判断していませんか?

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私立の小学校に入れる理由の1つとして、子どもが公立学校に行くといじめられるのではないかという懸念を持つご家庭もあります。それも確かに必要な考え方の1つではありますが、それも社会の縮図であり子どもの頃からそのようなことも学び、たくましく生きていくことが重要だと考える家庭もあります。

このようにみてみると、私立が子どもに合っているから入れるもよし、公立で多様な子どもたちとの間でもまれることで社会の縮図を経験していくもよしなのです。つまりどちらでもいいのですが、判断するときに、ネガティブな理由(「〜が懸念なのでやめる」など)ではなく、ポジティブな理由(「〜が望ましいから進学させたい」など)に基づいて判断するほうが適切な選択ができます。

中学受験でも、地元の公立中学が荒れているから私立に行くというのではなく、私立のこの学校は「○○という点がとても気に入っているので是非行かせたい」というポジティブ要因を元に判断したほうが成功する可能性が高いのです。なぜなら、ネガティブな理由を避けた結果の判断であると、新しい学校に進学したときに、その学校のネガティブ要因がまた気になりだします。気になるとポジティブに学校生活を送るどころか学校の愚痴、不平不満を言うようになり、貴重な学校生活を台なしにしてしまう可能性があります。ネガティブは癖になるので、できれば判断するときの基本はポジティブ要因にしたいものです。

森山さんの場合は、ネガティブ要因が基本となっていると感じます。まずは、ポジティブ要因を探してみてください。そのうえで、次のことをお話しします。

小学校受験は基本的に100%親の判断

基本的に小学校受験は、年齢的に進学するうえでの子どもの判断は一切なく、100%親の判断です。ですから、親が私立小学校に入学させたいと思っているとしたら、私立がいいでしょう。なぜなら私立に入れたいと思っていながら、公立に行かせると、何か問題があるたびに親が後悔するためです。公立小学校に行かせる親は、私立小学校が不合格になって進学する場合を除き、そもそも私立小学校を受験するという概念はまったくありません。

以上のような点から、森山さんの場合は、私立小学校というお考えがそもそもあるため、ポジティブ要因を見極めたうえで、その選択に従って行動されてみてはいかがでしょうか。仮に受験がうまくいかなかったとしても、公立の小学校でも、それはそれでなんとかなるものです。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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