「ドラえもん」と「コナン」映画が外さない理由 親を巻き込む人気長寿アニメの絶妙な仕掛け

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毎年春に公開される2大アニメの劇場版映画。今年もヒットの予感(筆者撮影)

新入学や進級を控えた春休み。「どこかへ連れてって!」と子どもが親にせがむ時期だ。遊園地、動物園、水族館、アミューズメントパーク、ボウリング場など、子どもが喜ぶレジャー施設の中で、定番の一つともいえるのが映画館である。最近では都心、郊外ともにさまざまな商業施設にシネマコンプレックスが入っており、休日になると各種フードやドリンクなどとともに映画を楽しむ子ども連れが目立つ。

『アナと雪の女王』(2014年)255億円、『君の名は。』(2016年)250億円――。ここ数年で特に大ヒットした映画の興行収入だ(日本映画製作者連盟調べ)。時に映画はヒットすると大きなおカネを生み出す。この2作品を親子で映画館へ見に行ったという家庭も少なくないだろう。

興行収入10億円以上の映画は約5%

ただ、興行収入100億円を超えるケースはまれで、ヒット映画といえば興行収入10億円以上が一つの目安となる。たとえば、コミュニティシネマセンターがまとめた『映画上映活動年間2016』によると、2016年に興行収入を10億円以上稼いだ映画は洋画・邦画を併せて61作品。これは公開作品(1149本)の約5%に過ぎず、映画ビジネスにおける当たり外れの大きさをうかがわせる。

筆者は過去6年以上にわたって年間180本以上の映画を映画館で鑑賞しているが、マニアックな映画は休日であっても客席が閑散としていることが多い。

そんな映画産業で毎年のように安定してヒットを生み出すお化けコンテンツがある。「ドラえもん」(テレビ朝日系)と「名探偵コナン」(日本テレビ放送網系)。いずれも人気テレビアニメの劇場版映画だ。ちょうど春は両シリーズとも新作が公開される時期に当たり、「ドラえもん」はシリーズ38作目となる『映画ドラえもん のび太の宝島』が3月3日から公開中。「名探偵コナン」の同22作目である『名探偵コナン ゼロの執行人』は4月13日に公開を控えている。

日本映画製作者連盟がまとめた2017年の邦画興行収入ランキング(洋画は除く)を見てみると、『名探偵コナン から紅の恋歌』(東宝、4月公開)は約69億円で1位、『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』(東宝、3月公開)が約44億円で2位に続き、ワンツーフィニッシュを飾った。

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