東京五輪とTPP、同じ3兆円効果でも中身は別 日本経済2大トピックの「経済効果」を考えよう

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この効果はだんだん小さくなっていくが、最初に増やした公共投資の金額よりも、最終的にはかなり多くのGDPが増える。この効果が乗数効果と呼ばれるもので、たとえば1億円の公共投資を行うことでGDPが1.2億円増加したとすれば、乗数は1.2だ。

一方、東京オリンピックの試算で計算されているのは、生産額の増加である。たとえば、自動車の需要が1億円増えると、自動車を生産するために使う鋼板やエンジンの制御装置など、さまざまな部品・原材料の生産が増える。さらに、制御装置を作るための電子部品の生産が増えて、それを生産するための半導体の生産が増える。自動車の生産額、制御装置の生産額、電子部品の生産額、半導体の生産額――というように、すべての産業の生産額の増加を合計したものが、生産誘発額だ。

生産誘発額は、大きければよいとはかぎらない

生産額の増加とGDPの増加は密接な関係があるが、異なるものである。図2のように自動車メーカーが消費者に100万円で車を売り、自動車会社が車を生産するために50万円の制御装置を電機メーカーから買い、制御装置を作るために電子部品メーカーから20万円の部品を買っているとする。話を単純にするために、電子部品メーカーは投入する原材料がないので何も買っていないとする。

GDPはそれぞれの産業の付加価値(売り上げから購入した部品・原材料の費用を除いたもの)を合計したものだ。それぞれの産業の付加価値は、自動車産業が売り上げ100万円から制御装置の購入代金50万円を差し引いた50万円、電気産業が30万円、電子部品産業が20万円で、GDPはこの合計の100万円になる。一方、生産額は自動車産業が100万円、電気産業が50万円、電子部品産業が20万円なので、170万円になる。100万円の自動車が売れることによる生産誘発額は170万円、誘発効果は1.7倍ということになる。

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