東京五輪とTPP、同じ3兆円効果でも中身は別 日本経済2大トピックの「経済効果」を考えよう

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国債を発行して公共事業を行う場合には、乗数効果が大きいほど、同じ金額の財政赤字でより多くのGDP増加につながるのだから、費用対効果が大きいことになる。

ところが、生産誘発効果が大きいほうがよいのかのどうかは、議論の余地がある。生産のそれぞれの段階で、より多くの部品・原材料を使用し、何段階もの産業を経由すれば、それだけ多くの産業の生産が増えるので、生産誘発効果は大きくなる。一部の産業が恩恵を受けるのではなく、幅広い産業に効果が及ぶ。しかし、最初の支出増で生まれた所得は、より多くの産業に分配されてしまうので、それぞれの産業が得る所得(付加価値)は、ごくわずかになる。誘発効果の大小は、支出の効果が薄く・広くバラまかれるか、狭い範囲に厚く分配されるか、という違いである。

一部の産業に恩恵が偏るということを不公平で問題だと考えるか、狙った産業に集中的に効果を及ぼすことができると考えるかは、政策の目的によるだろう。

オリンピックの「付加価値誘発額」はTPPの半分

招致委員会が発表している経済効果は3兆円だが、さまざまな数字がマスコミをにぎわしている。効果を大きく見積もっているものでは150兆円というものもあり、推計された効果には50倍もの開きがある。

この違いの原因は上で説明したように、まず経済効果の指標としてGDPの増加を計算したのか、生産額の増加を計算したのかなど、経済効果として何を試算しているのかという対象の違いがある。オリンピック招致委員会は、「付加価値誘発額」を1兆4210億円としているので、TPPの効果の試算に対応するGDPの増加額は半分程度と試算していることになる。

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