ブロガー議員は「人生100年時代」をこう見る 東京都議・音喜多駿氏「雇用流動化が不可欠」

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――オプションの多い社会では、能力によって、得する人と脱落する人が出てくるといわれますが?

そこは表裏一体だと思います。いまは転職するにしてもその幅が狭いので、必然的にハードルが高いものになっている。だから、優秀な人しか転職できないわけです。でも、全部が自由化されて流動化すれば、全体にチャンスが増えるでしょう。転職して給料を上げていくことができるのは強者だけだったのが、そうではなくなるのです。

音喜多 駿(おときた しゅん)/東京都議。1983年9月生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループに新卒採用され、化粧品ブランド「ゲラン」で7年間の営業・マーケティング経験を積む。2013年6月、東京都議会議員選挙に初当選。2017年7月から二期目。「都民ファーストの会東京都議団」初代幹事長に就任するも、後に離党を表明し、現在は無所属で活動中(撮影:田所千代美)

自由主義者は、弱肉強食で弱者を切り捨てると誤解されていますが、僕はセーフティネットを重視しています。「ネット」で保護するというより、「トランポリン」のように落ちてもポーンとすぐ戻れるようなイメージですね。そのためには規制のレールではなく、風通し良く、流動化しなければならない。いろんな人に間口が開かれる社会にしたいのです。

なぜそれが進まないのかというと、霞が関の仕組みが旧来型であることが大きな要因の1つだと僕は思っています。年功序列が徹底されたピラミッド型で、キャリアの最後には天下りして、子会社に出向してというレールの世界。官僚だって転職していいし、民間登用をもっと増やしてもいいでしょう。中途採用の人が事務次官になってもいい。キャリアの複線化を霞が関から実行しないと変われません。

東京都も同じです。民間企業には口を出せませんから、官から変わる必要があるでしょう。政治主導で公務員改革を進めるべきだと思います。

ベビーシッターを公的制度に

――待機児童問題にも改革の声を上げておられますね。

僕は、保育園というハコモノだけで対応するには限界があるとずっと言ってきました。保育園は一度作ったら、簡単につぶせません。一人でも通っていれば、簡単に閉じられませんから。加えていろんな規制もあって、ビジネスとして踏み出しづらい。

だから、ベビーシッターのような小回りの利く小規模保育を活用すべきだと思います。たとえば、フランスには「アシスタント・マテリネル」というベビーシッター制度があります。公金が投資されて、親たちはオンデマンドでシッターを利用しているんです。ライフスタイル的に保育園の開所時間だけでは対応できない働き方が増えていますが、これなら個人に合わせて対応できるでしょう。

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