ブロガー議員は「人生100年時代」をこう見る 東京都議・音喜多駿氏「雇用流動化が不可欠」

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ところが、街で演説していても、若者は立ち止まってくれません。高齢の方は興味を持ってくださいますが、やはり医療、年金、経済の話題。保育や子育て支援にはまったく反応がない。それは票にも現れます。若い政治家が、自分は若者の声を届けるんだと青雲の志で政治の世界に入っても、そういう現実に直面して、だんだん高齢者偏重の考え方になってしまう。僕自身はそうならないように意識していますが、そうなってもおかしくはないと感じてしまいますね。

――若者はなぜ選挙に行かないのでしょう?

特に20代だと、まだ危機感もなく、行政の必要性も感じないんでしょうね。家庭を持ってはじめて行政との接点ができたりもします。僕自身、子どもができてますます痛感していますが、保育園をどうしようとか考えたとき、やっと行政の必要性がわかるわけです。若いうちは、役所に行く機会なんてほとんどありませんからね。

先進国では若者が政治に興味を持ちづらいというのは万国共通ですし、根強くアピールし続けていくしかないだろうと思っています。選挙に行かないことでどれだけ損しているかを、若者ほど知らない。もっとクリアなメッセージを伝えていかなければなりません。その点でも、小泉進次郎さんのような影響力のある人が発信されるのは心強いですね。

都議会はまだブラックボックスだ

そういう意味では、都知事選での小池旋風は、人々が政治に関心を持つよいきっかけではありました。以前は、審議会の7割が非公開で、マスコミも都民もどこでいつ何を議論しているのか知らないという状態でしたが、小池都知事によって行政機関の情報公開は進みましたからね。

ただ、実際には「都議会のドン」のような存在がいまもいて、何も変わっていません。これは、私が小池都知事から離れた最たる理由ですが、「しがらみからの脱却」と言っていても、自分に権力がついたら、またブラックボックス化してしまうわけです。

たとえば、警察消防委員会というところには、なぜか都議会の重鎮が大勢入っていて、ここでは基本的に質問してはいけないという不文律があります。それじゃ委員会の意味がないと思いますけど、先輩議員は「警察消防員会は質問しちゃいけないんだ!」と若手に語ったりする。そして周りは「われわれは専門知識がないんだから質問するのはおかしいですよね」なんて合いの手を打つ。まったくおかしな話です。

5年間議員をやってみて、政治は思ったよりも古い世界だと実感してもいます。都民ファーストの会があれだけ大勝したのに、結局、都議会は何も変わらない。惰性と保存圧力が強くて、変化に逆らいがち。それをどうしていくかは大きなテーマですね。そもそも、何期も政治家をやっている人は変化を嫌がります。当選してきた仕組みを崩したくないわけですから。

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