ブロガー議員は「人生100年時代」をこう見る 東京都議・音喜多駿氏「雇用流動化が不可欠」
変えるって本当に大変です。たとえば、都議会は昔からの慣習で13時から開始なのですが、僕は午前10時スタートにしたほうがいいと思ったんです。10時間ぐらい議論することもありますし、残業する職員さんの負担も深刻だから、時代に合わせて早めたほうがいいだろうと。ところが、それをしかるべき立場のベテラン議員に申し上げたところ、「それは散々議論してきたんだ、その結果が13時なんだ」。
遠くの地区の人が朝早くなるのは不公平。かといって2日間に分けると、2日目の人が質問を変えたり、大きな事件で政局が変わったりして不公平が起きるからダメ。最終的には、「変えたいなら、きみが全員に話をまとめてきてくれ」と。すると今度は「角が立つからそういうことは全会一致で」という慣習に阻まれる……。当たり前のことをしたいだけなのに、モチベーションが保てません。これだけ世論が働き方改革を叫んでいるときに、こんなことひとつ変えようとしないのかと。
都議会全体としては若手が増えましたし、前期よりはいいかもしれませんが、1年生議員には、自分が違和感を覚えても、小池都知事や先輩議員がイエスと言ったことには従ってしまう人が多い。若い人はまだ力もなく、自由に行動できませんからね。そして、自由に行動できるようになったときには、すっかりしがらみに染まっていて、当初の志を忘れているという。しかし、今期のうちに変えられるところは変えたいと思っています。
――東京都は「100歳大学」について議論していますね。
首都大学東京で高齢者を受け入れるというリカレント教育です。何歳になっても学び直せるんだというメッセージを打ち出すことは良いことだと思います。ただ、優先順位は考えなければなりませんね。教育の原資は限られていますから、70代80代の人を対象にするのは正しいことなのかどうか。ただ老後の楽しみを税金で面倒見るということであれば意味がないですからね。
もちろん、そういった仕組みによって「何歳からでも学び直せる」という副次的な効果が期待されているんだと思いますし、パッケージとして機能すれば費用対効果も出るでしょう。ただ個人的には、高齢者より、若い人や外国人留学生を受け入れるほうが優先順位としては先ではないかなと思いますが。
50代で総理大臣を目指す
僕は自分の100年人生のなかで、50代で総理大臣になるつもりでいます。そして、雇用の流動化を手掛けたいですね。働き方、オプションを増やす。
子育て支援もそことリンクしていますし、女性が活躍できないのも、終身雇用一本であることが大きな要因の1つです。妊娠して仕事を辞めなければならないのに、出産して戻れるかというと戻れない。もっと柔軟にキャリアの「出入り」が自由になれば、女性の活躍支援や、子育て支援の問題がほとんど解決できます。労働法制を変える。ぜひそれをやりたいですね。
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