ブロガー議員は「人生100年時代」をこう見る 東京都議・音喜多駿氏「雇用流動化が不可欠」

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そもそも、保育施策は「保育に欠ける子への福祉」という定義からスタートし、いまだにそこにとらわれているのが問題です。本来は両親が家で育てるべきだけど、やむをえない事情があって育てられない人のためのもの、という考えがあり、そこに引きずられているんですよ。だから園庭の面積とか厳しいレギュレーションがある。

いまは働きたいから保育園を使うという能動的な意志で利用する時代です。園庭のない保育園を選ぼうが、ベビーシッターを選ぼうが、選択肢があっていいし、税金を投入するのならば、利用者の負担は平準化すべきでしょう。Aさんが救急車を呼んだら来たけど、Bさんには来なかったということはありえませんよね。でも保育園にはそれがある。この不平等が見過ごされてきたことに立ち返る必要があります。

今回、小池都知事がベビーシッターについて、かなり大胆に予算を付けると打ち出しました。これはとてもいいことです。自宅にシッターを招くことにはまだ抵抗感があるのが一般的ですから、行政が文化としてこれを根付かせる手助けはする必要があるでしょう。

世代内の助け合いへ

人生100年時代を考えると、やはり日本は介護の問題と医療費の抑制、そして高齢者の方にどう自立して生きていただくのかというところは避けて通れません。しかし、どうしてもハレーションが起きますし、世代間の対立に見えてしまう。まずは「支えの仕組み」を提示して、メッセージを発信しなければならないと考えています。

これは福祉の切り捨てではありませんし、若者にカネをよこせと言っているのでもない。「世代間の戦い」から「世代内の助け合い」にしましょうよ、ということです。高齢者にも豊かな人と貧しい人がいるわけですから、世代内で分配して、世代内のことは世代内で完結する仕組みを考えつつ、全体をみんなで良い社会にしていきましょう、と。

たとえば、東京都には1000円で電車やバスが乗り放題になる「シルバーパス」があり、年間約170億円ものおカネが使われています。しかし、これはすべての人に必要なものではありません。所得制限はありますが、そもそも高齢者は「所得」がなくても「資産」を持っているケースが多く、本当に貧しくてバスに乗れないという人は、そう多くはないのです。それなのに、9割以上が安価な支給の対象者になっている。

必要のない方はシルバーパスを受け取らずに、ほかの福祉に充てさせてくださいと言うべきでしょう。医療費も同じです。資産があるのに、所得がないから自己負担1割で済むという方が多い。相続税も同じ。こういうところをそろそろ真剣に考えたいですね。

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