怪しい投資話に騙される人に教えたい超基本

利回り・元本保証って信じていいんですか

念のため説明しておくと、利回りや元本保証が約束されている場合はだいたい詐欺であると考えていい。元本を保証して資金を集めることは、出資法によって銀行や信用金庫など限られた金融機関にしか認められていない。つまり違法行為だ。

投資詐欺のニュースを見ると「出資法違反」の容疑で摘発されているケースは度々目にする。それだけ元本保証という言葉に弱い人が多いということになるが、実際にはその正反対で元本保証の売り文句は「詐欺の目印」といえるのかもしれない。

利回りは事業の利益で決まる

投資詐欺に引っかかる人は、「自分がいくら貰えるか?」という部分しか考えていないが、配当を受け取るには事業で利益が出ていることが前提だ。投資家が受け取る配当は発生した利益の一部でしかない。

妥当な利回りや配当の水準は「ROE」という指標を見ればわかる。ROEは自己資本利益率のことで、企業が出資額(純資産=自己資本)に対してどれ位の利益を出しているかを測る指標だ。計算式は「利益÷自己資本」とシンプルだ。

たとえばトヨタ自動車ならば2017年度のROEは13.77%程度、つまり投じた自己資本に対して13%くらいの利益を出している。日本の上場企業のROEは2016年度が年間8.3%なのでトヨタ自動車は平均よりかなり高いことが分かる。

では、もしトヨタ自動車が出資者に対して13.77%以上の配当を約束しておカネを調達したらどうなるか? 当然それ以上の利益を出せなければいつかは破綻する。

つまり出資に対する利回りは事業の収益性によって決まる。上場企業でなおかつ業績が良い現在ですら平均で8.3%ということは、出資に対して10%以上の配当を確実に約束するような投資案件は、詐欺である可能性が高いことが一瞬でわかる。

まれに毎月3%の配当、単純計算で年間36%など、メチャクチャな配当を約束するような案件もあるが、本当に36%を実現するのであればROEが36%以上と、平均の4倍以上というほとんどの企業が実現できない超高収益の事業を行う必要がある。このレベルの話になると一瞬で冗談であることがわかる。

史上空前のカネ余りで低金利が続く現在、企業の資金調達は極めて容易になっている。高い配当利回りを約束して個人からおカネを集めている企業は詐欺の疑いがありうる。

次ページ投資詐欺を信用させる一番簡単な方法は…
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